生きていることを感じる大事な時間だったと聞いています。
会場1:月のはなれ(5F)
中央区銀座8-7-18 5F
14:00〜23:30
(土日も営業します ※普段は土日休み)
会場2:画室1(B1F)
中央区銀座8-7-2 永寿ビルB1F
11:00〜19:00
会場3:画室3(4F)
中央区銀座8-7-5 金春ビル4F
11:00〜19:00
open時間は会場によって異なります。ご注意ください。
お問い合わせは画材店:TEL 03-3572-5605
「刺すような陽射しがどうしようもなくただ」という歌い出しがぴったりな酷暑。
MVを作ってくれたソーシキ博士による描き下ろしのジャケットイラスト。
昔から大好きだったイスラエルのButtering Trioによるトロトロのリミックスバージョン。
そしておなじみ唯さんのアートディレクションにより、最高の作品が完成した。
普段はこちらに見える向きで棚に置いておき、ちょっとゆっくり過ごしたいときに等にプレーヤーへセットし針をオン。そうすれば夏の気だるさも、暑さの陰にひそむちょっとした物悲しさも、いくらか付き合いやすくなるだろし、ちょっとしたパーティーでDJがサマーチューンとしてかけてくれてもうまくいくはず。とにかく平成最後の夏を飾るにふさわしい名シングルだ。
500枚だけ製造して、増産する予定はない。もしかしたら一瞬でなくなってしまうかもしれない。そんなときに残念がる顔をみたくない。是非みんな早めに入手してほしいと思っている。
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さて、そんなサマタイムの価格は2曲入りで3,000円である。あなたはこの値段をどう思うか。「あれ、ちょっと高くない?」そう思う方々に向けてきょうはこのブログを書いた。(そうでない方もぜひお読みください。)
確かに、「サマタイム」はシングルサイズのレコードとしては、相場と比べると高額だ。普段アナログレコードを買わない方はピンとこないかもしれないが、同じ収録曲数の作品を探してみるとだいたい1,600円〜2,000円くらい。
1曲あたり1,500円と計算して「高い」と思う人もいるかもしれない。そういえば2兆円は60曲入りで2,000円で、同じように値段をつけるならこのレコードは67円になるだろう。配信でもふつう1曲250円くらいだし…。
じゃあなぜ、今回の「サマタイム」はこの価格なのか。それは、これまでと全く異なるやりかたで値段をつけたからだ。僕にとっても初めての挑戦だったけど、結論からいうと、この方が健全だろうと思っている。
どういうことだろうか。
具体的な話をすると、?ソーシキ博士のイラストへの対価?Buttering Trioへのリミックスへの対価?レコード製造費の三つを合算して、作りたかった500枚という枚数で割って、そこにいつも通りの利益率をかけて販売価格を算出した。原価に対する利益の割合でいうと、東郷清丸のほかのグッズと変わりがない(2兆円だけ例外だけれどそれはおいておく)。むずかしいことはない。単純な値付けだ。
反対に、これまで僕がどういう風に計算していたのかお伝えしたい。まずは作る前に相場を考えて売価を固定。売れる予定枚数を考えて、総利益を試算して、「では今回かけられるお金はこのくらい」という予算のラインを定めて、それを超えないように制作する。以上。…どうだろう。これはこれでなんか普通っぽいが、僕は日頃から、こと創作においてこの設定方法でいい結果が生まれるだろうかという疑問を持っていた。
そもそも、なんでみんな販売価格をほかと合わせたがるのだろう。もっとも大きいのは「ほかと比べて高いから買いづらい」というのを避けたいのだと思う。頑張ってつくったものが、うまく売れなかったり、ましてや損にでもなったりしたらこんなに辛いことはない。絶対にいやだ。そうすると「売値はできる限り安いほうが買いやすい」という心理が働いて、いろんなことを切りつめようとする。
まずは製造費がターゲットだ。より安い発注先はないか、印刷の色数は減らせないか、校正はとらなくてもいいんじゃないか。
これら全ては価格を下げるためにクオリティを犠牲にすることに繋がる。経験則だけど激安の発注先は対応が値段なりなので細かいところの表現性はかなり劣る場合が多い。ほかと比べて高いところはそれなりの理由がある。しっかり対応してくれて技術があるところは往々にしてちょっと高い。
この辺りは、ふつうに買う人にとって気にならないかもしれないレベルの差で、しょうがないかと切り捨てやすいところでもあるが、ソーシキ博士と唯さんに入ってもらってそういう安易な選択はしたくなかった。
次に、今回でいうソーシキ博士やButtering Trio、すなわち一緒にやる人たちへの対価としての費用。イラストでも音楽でも「予算にはまりそうにないから」という理由で自分でやるとか、なにか過去の素材を使い回すとかそういう風にして費用を抑えてなんとなく形だけはそれっぽくしたもの、というのは目に見えてガクッとパワーが落ちる。
"この座組みでやったらいいんじゃないか"と閃いたときに超ワクワクした気持ちや、そのときに想像した「こんなすごいものができるんじゃないか」という大きな期待。それを弱めるようなことは今回はやりたくなかった。
あとは、たくさん作ると単価が抑えられるということもあった。例えば1,000枚とか2,000枚つくればもう少し単価が抑えられたはずだけど、いまの自分の活動規模を考えるとそんなに作ったところで余らせるだけだろうから無駄だ。届けたい人に頑張って届けられるちょうどいい部数として500枚というのも変える気が起きなかった。
そもそも「サマタイム」の曲の良さには自信があるし、遠くの地にいてコミュニケーションが難しいButtering Trioの面々にも気持ちよく制作して欲しくて頑張ってメールして(Kerenはやりとりの最後にWe enjoyed making it very much.って言ってくれた)、ソーシキ博士のイラストもかわいくて最高だし、アートディレクターは唯さんでビュジュアル面も文句なし。そうして関わってくれた全員のエネルギーをしっかりと仕上がりにのせるために、お金を惜しみたくなかった。
おまけに付け加えると時間も惜しんでいなくて、マスタリングもアナログカッティングもジャケット印刷もすべて工場まで立ち会った。どれもこれも繊細な差だけれど、とにかく全ての選択肢において油断せずに最善を選びたかったから手間も惜しまなかった。
さあ、そして完成して手元に届いた「サマタイム」は僕には神々しいほどビカビカに光って見えた。最高だ。こんないいシングルが3,000円=アルバム1枚くらいの値段で買えるんでしょ?やっぱり全然高くないじゃない!!と思ったりした。適切にかけたお金は成果物にきっちり反映される。関わってくれたみんなのおもしろパワーが僕にはありありと目に見える。そういうわけで今もこの価格にかなり自信があります。みなさんもためらわずに、一度手にとってほしいと思います。よろしくお願いします!
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さて、ここまでは作った僕の気持ちの話であって、それを売るショップの方々はまた別の論理がある。
完全手売り限定の「よこがおのうた」と異なり、今回は直接付き合いのあるレコード屋さん何件かに置いてもらっていて、事前の交渉段階で実際に「高いです」って言われたりもしたんだけど、そりゃ当たり前だなと思った。
いくら素晴らしくても売れないと利益が出ないし、ほか作品と並べなきゃいけないし、お客さんの意識にはどうしたって相場感覚が作用するだろうし…。
それでもどのお店も最終的には取り扱いしたいと言ってくれて、大変嬉しかったです。各店舗の方々の判断いつもよりすこし踏み込んだものだろうなと思いました。2兆円でがたくさんの人に広がっていったから、そのときの信用が少し残っていてよかったなと。今回僕のやりたいことに付き合ってくれたお店の方々にも大変感謝してます。
物販とwebショップで購入できますが、お近くに店舗があるかたは是非そちらでお買い求めください◎
★取り扱い店一覧(適宜追加します)
<東京>
<千葉>
16の小さな専門書店 (そごう千葉ジュンヌ3館F)
※5/8にインストアイベント開催!
<大阪>
フレイクレコーズ (南堀江)
<群馬>
September Recors (高崎)
<福井>
ホシとドーナッツ (福井)
<広島>
STEREO RECORDS (広島)
<香川>
サンリンシャ (高松)
圏内にショップがない方は Allright Music Store へゴー!
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【サマタイム 発売記念インストアイベントのお知らせ】
千葉そごうジュンヌ館内「シアター駒鳥座」にて
MV制作&イラスト作成&相談聞き役としてサマタイムを超たすけてくれたソーシキ博士を招いたラフなおしゃべりコーナーと、エレキギターソロでのライブを盛り込んだインストアイベントを行います。ソーシキ博士の特別グッズとして東郷清丸の顔を描いた「man4」Tシャツも登場予定。入場無料ですのでこの機会に是非おこしください!
[場所]千葉 シアター駒鳥座 (千葉そごうジュンヌ館内)
[時間]open 16:30/start 17:30
[形態]ソロ /トークショーゲスト:ソーシキ博士
[料金]入場無料 (予約制 定員あり)
[予約]専用予約フォームよりご予約ください(前日中まで受付)
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そう聞かれることが増えてきたので、
言葉にしてみます。
まず、仕事をお願いしてくれた人の
考えかた、想い、言葉、話し言葉、メール言葉、
声質、顔、身振り手振り、佇まい、背丈、服装、身につけているもの、
家族との関係、パートナーやチームとの関係、年齢、伝えたい人たちのこと、
目的、熱量、野望などを観察します。
そして僕たちになにが求められているか、
これもとても大切。
観察していくと、「こっちではないな」という、
?消去?の頭が今度は働き始めます。
そして、今の社会の状況や、未来のことも予想する。
いま自分が考えられうるあらゆることを総動員します。
背中を押すような、お守りになるような、僕たちからの想いも加えながら。
ふさわしいかたちは、
そうすることでわりと必然的にポンと現れます。
最近発表された、MOMOとSHITEKI NA SHIGOTOのかたちも
そのようにポンと現れました。
新しいロゴをつくるということは、当然覚悟があるはずです。
「かっこよくない?」みたいなノリでは通用しない。
かたちはそんなに甘くない。
想いが乗っていないかたちは見ればすぐにバレる。
それはロゴだけではなく、かたちとして現すということは
相手の覚悟を受け止められる、こちら側の覚悟も必要だということ。
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6月2日(土)から2週間、
長野は安曇野に新しくオープンする
「SHITEKI NA SHIGOTO Gallery」で
デザインとその周辺を言葉にした展示を行います。
友人の、グラフィックデザイナーであり詩人でもあるウチダゴウさんから
昨年、スペースを構えることを機にロゴのリニューアルをお願いされたのが
そもそもの始まり。
今回、ロゴのお披露目と絡めて、詩人のギャラリーですから
言葉に注目した内容にしたくて、デザインの展示だけではなく
文章を書くことに挑戦しました。
先日のAllrightのメルマガには
『普段目にするデザインは、果てない思考や試行錯誤の「結果」。
膨大な時間を費やすその過程で私たちが得てきた
お守りのような言葉や、自分を輪郭づけるような出来事。
ポジティブなことネガティブなこと。
デザインが生まれる背景に流れる日常を言葉にしてみます。
読んだ人はどう感じるんだろうかと少しワクワクしながら。』
と書きました。
誰かのために!と意気込んで書いたものではなく、
自分とむきあってポツリポツリ。
わたしは形を作らないデザイナー
「形がつくれないのはデザイナーではない」
これは長い間わたしの中にあった概念。
でも今わたしは形を作らずデザインをしています。
目に見えるものがデザインであると誤解していた20代のわたしは、
自分の形を作る才能のなさに、
何よりも努力ができない自分自身にほとほと嫌気がさしていました。
父のようにデザインに向き合う胆力もない、
唯のように目が喜ぶかたちや文字を追うエネルギーもない。
目の前が真っ暗になる、いわゆる挫折というものを
Allright Graphicsに参加してはじめて味わった(本当は
どこかで分かっていたけど、ついにごまかせないくらいはっきりしてしまった)。
…続きは会場で!
普段、文章はおろか、
語ることもしてこなかった内容にも触れています。
ぜひゆっくり読んでもらえたら嬉しいです。
初日のオープニングレセプションでは
高田唯、北條舞、ウチダゴウさんトークと
ゴウさんの詩の朗読もあります。
美味しいご飯とコーヒーも用意していますよ!
「デザイン会社 Allrightの仕事と言葉」
会期:2018年6月2日(土)〜17日(日)
10:00〜17:00
・
在廊日:6/2(土)、6/3(日)
・
閉館日:6/5(火)、6/15(金)
会場:
SHITEKI NA SHIGOTO Gallery
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明2186-96
(ご近所のギャラリー・十色屋の看板が目印)
・
オープニングレセプション
「風が心を揺さぶるとき」
・
6/2(土)
17:00 開場
17:30〜お食事 by @alps.gohan & @high_five_coffeestand
18:30〜トーク by 高田唯・北條舞・ウチダゴウ
19:45〜朗読 by @uchidago
20:15 終了予定
・
参加費:3500円
・
定員:先着20名/申込必須
・
申込先:してきなしごとまで
info(at)shitekinashigoto.com
お名前・人数・メールアドレスをご記入ください。
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5/8(火)WWWにて開催された「2兆円ツアーファイナル」
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
印刷機持ち込んだりプロジェクターを駆使したり歌のおにいさんをやったり
あの日に感じたいろいろなことをブログにまとめたいと思っていたけれど
翌日以降も活版の仕事とライブとで寝る時間以外ずっとなにかやってるような状態が続き
文章を書こうという気持ちにならなくて、いまようやく時間がとれたところです。
改めていうと、2兆円ツアーファイナルは文句なしに最高だった。
演奏がうまいとか歌がいいとか、そういう表面の部分だけではなくて、(よかったけど!笑)
あの場に居あわせた人にしか分からない目に見えない力が確実にあった。
体験を言葉で再現するのは不可能ではありますが
会場へ来れなかった方も、残り香だけでも匂ってもらいたいです。
感想まとめ ⇒ https://togetter.com/li/1225855
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僕は自分の表現はおもしろく突き詰めているつもりだけど
それがお客さんに受け入れられるかどうは全然別の問題だ。
他人の気持ちはコントロールできないから、受け取り方は委ねるしかないし
"誰からも面白いと思われない"というシーンも頭の片隅には常に浮かんでいる。
とはいえ、受け入れてもらう為だけに表現を作るのは本末転倒だし…。
僕にできることは、
ちゃんと自分のやりたいことや面白いと思うことをギュッと詰め込んでおいて
あとはせめてウェルカムの札を掲げたり入り口だけはそこそこ掃除しとくか…というくらい。
そこまでやったらもう祈るだけしか残ってない。誰か分かってくれ〜!!!と
そうして祈っていたところに300人強のお客さんが集まって
おそらく僕と同じようにあの場を楽しんでくれていた。
web上でいくら評判を目にしても記憶はすぐに薄れてしまうけど
あの現実のWWWでみんなが感動してくれている姿は脳にまだ焼き付いている。
後日に出演した森道市場やいろはフェスタやLotus music & book cafeなどで
観にきてくれた客さんたちが「あの日ほんとよかったですよね」といまだに言ってくれる。
ちゃんと受け取ってくれる人が、思ったより沢山居るな!
そういう実感が僕のなかで確かな手応えとして残った夜でした。
今後の活動にも大きく影響していくはずです。
そもそも生身のお客さんたちみんなが会場に集まってくれなければ
生まれ得なかったものだと思います。本当にありがとうございました。
次も楽しみにしておいてください。
また会いましょう。
さりげなく付け加えておくと、渋谷WWWは中のスタッフさんたちも本当に優秀で
この規模のイベント初めての僕が仕切るのは不安が多かったのだけれど
各部門のみなさんが過不足なくキビキビと動いてくれて、安心感がすごかった。
すんごくいい場所だな、とやってる側としてもすごく思いました。
WWWは7/9にまたバンド編成で折坂悠太さんと共演です。
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さいごに、イベントフォトギャラリーをお楽しみください。
沢山ライブをすると、同じ曲を何度も何度も歌っていく訳なので、もしかしていずれ飽きるのでは?と思っていたのだけど、不思議なことに2兆円の曲たちは何度やっても面白いどころか、ツアー当初よりもフィット感がずいぶん高まってきたなという感覚すらある。
レコーディングにあわせて書き下ろしたdisc-A 9曲、これらの歌詞を書く時に特に注意したのは、自分の実感がない借りてきたような言葉や、余計な虚飾みたいなものは極力避けようということだった。知らないことを知らないままに物知り顔で歌うことがすごくイヤだった。そんなのは当たり前のことと思われるかもしれないけど、頭の中って結構適当で、油断するとすぐに知った風なことを書いて字数を埋めようとする。そうした部分は自分で聴いていてもすこしパワーが薄い気がしてしまうし、音源に残したくなかった。とにかくすべて実感をベースに言葉を組み立てた。
それでいて、僕の場合は基本的に人を楽しませたくて音楽をやっているので、聞く人がどういう印象を受けるのか、ということももっと意識してみようと考えた。しばらく音響やリズムやアレンジにしか着目していなかった音楽の聴き方を、歌詞の言葉がどうなっているのかという視点にシフトして改めて色んな曲を聴き漁った。いま1年前の自分のノートを遡ってみたら、歌詞を分析する際にいろいろ項目をわけるための覚え書きなどもあったりした(さっきまで忘れてた)。そうやって丁寧に歌詞を聴き込むことは高校生のときにBUMP OF CHICKENの歌詞を全暗記していたとき以来だった。
そのように、これまで気持ちの赴くまま落書きや日記のようにただ書いていた歌詞を、(それも悪くはなかったんだけど)、今回は意図的にもう一段階踏み込んで書いたので、歌詞の面からみても2兆円の曲たちは自分の中でこれまでにない強度を持たせられたように思っていたのだけど、それがツアーを経てより深く実感することになるというのは予想していなかった。
誰だって日頃の生活で体も心もいろんなコンディションの揺れがあるし、僕も普通にそう。ただうれしい楽しいだけの時もあれば、とても落ち込んでいるとき・不安な時もあり、それでもやるときはやるぞということで気持ちの土台部分を自分の力で作っていく必要がある。今日これからステージにあがるからといって、心を乱すような・自身をなくすような出来事が起こらない訳では全然ないし、特に体調が芳しくないときは心細いこと、この上ないけれど、そんなときこそ、自分のありたいスタンスを多分に詰め込んだ言葉たちが、歌おうとする僕の姿勢をも、あるべき方向へ立て直してくれている感覚がおこる。
僕は昔から、自分の作品であっても、完成した瞬間からそれは自分の手を離れて自立した存在としてそこにあるのだと考えるようにしていたけれど、2兆円の歌たちは単に自立しているというだけではなく、作った僕自身にも「おまえそれでいいのか?」と問うてきて、あ〜そうそうこういう風にやりたかったんだなぁと気付かせてくれている。こんな歌がいてくれてよかったと思う気持ちがわき上がり、それを歌う自分に大変なパワーがみなぎるのを感じるのだ。
以前にもまして、終わった後に熱を帯びて話しかけてくれるお客さんが増えた。音が・アレンジが・たたずまいが…みんな表面的に着目するところはそれぞれだけれど、きっとそういうみなぎるパワーを感じてくれたんだろうな、と勝手に思っているのでした。
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さて、そんな2兆円のツアーファイナルがいよいよ2週間後の5/8(火)に迫っています。渋谷WWWにてゲストアクトにスカートをお招きして開催。東郷清丸バンド演奏ではドラムあだち麗三郎さん、ベース池上加奈恵さんという経験豊富で確かな技術、それでいて遊び心の豊かなお二人が音楽的な土台をときにドッシリと、ときにウネウネと自在に作り上げてくれます。そんな音楽に乗ってみたくありませんか!とっても気持ちよいのでほんとうにオススメです。一緒に舞い上がりましょう。待ってます!
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東郷清丸 「2兆円ツアーファイナル」チケット販売中◎
[場所]渋谷WWW
[形態]バンド (Ba.池上加奈恵/Dr.あだち麗三郎)
[時間]19:00open/19:30start
[料金]前売3,000円+1D/当日3,500円+1D
[共演]スカート
チケット購入リンクはコチラ↓
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先日告知した5/8(火)渋谷WWWでのツアーファイナルも決まったし、今後もすごくいい流れを作っていけそうで嬉しいな。そう思いながらふとこれまでの歩みを辿ってみたら、何の苦労もなく突然ラッキーが降り掛かってきてる訳でもないな、という気分になった。今日は2兆円が広まって行くちょっと前のエピソードを少し書いてみようと思います。
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「2兆円」の発売日は、全国的には2017年の11月22日だけれど、本当はもう少し前に販売が始まっていた。
ジャケットのアートディレクションをしてくれた唯さんの個展「遊泳グラフィック」にて、Allright Music発足のためのコーナーを作ってもらい、会場限定で先行販売を実施したのだ。一ヶ月間の会期は9月19日からだったので、ちょうど半年前。まだ夏といってよいような、半袖でも暑いくらいの時期だったのを覚えている。
僕はその夏、7月から8月にかけて猛スピードで駆け抜けるようにレコーディングをし、ミックスマスタリングを終え、それと併行して印刷物や盤の入稿を済ませ…そういう諸々にわたる実務をうまく切り抜け終えたところで、達成感でいっぱいだった。サウンドもビジュアルも申し分ない。すごく良い物ができた。いい仕事をしたぞ。終わったぞ…!!身体に慢性的に溜まっていた薄い疲労感もすこし誇らしいくらいだった。
だが、この満足感というものはすぐに打ち砕かれることとなる。展示スタートとともに先行販売をしてみたものの、売れ行きが芳しくないのだ。8,000人ほどの来場者が予想されていて、展示の中にスペースをしっかり貰っていて、試聴機も置いてあって、すごくいいコンディションのはずなのに、確かにちょいちょい買ってもらってはいるものの、期待したほどには全然売れていかない。
焦って会場に行ってみると、僕のCDがあることすら気付いてなさそうに帰っていくお客さんも居て、結構ショックだった。これは?田唯展「遊泳グラフィック」だ。お客さんは唯さんの表現を観にきていて、ところせましとグラフィックが満ちているこの濃密な空間で夢中になっているんだから、名前の知られていない新人の、しかもCDなんて、ハードルが高いのかもな。…まぁ仕方ないか。中身はいいんだからそのうち売れるよ大丈夫。当時はそんな風に思った。ひとまず、今回は気付いてくれた人に感謝していって、そうじゃなかった人はまあまたの機会に気付いてちょうだいね。そう念じながら物販カウンターの後ろの方でひっそりと会場を見守っていた。
そんな展示の会期も半ばにさしかかったある日のこと。「目標通り売れないと、そのあとのツアーとか行けないからね。」Allright代表の舞さんにそう通告された。ビックリした。あっそうか!…制作でけっこうお金使ってるし、もともと資金が潤沢にあるわけじゃないし、このCDをちゃんと売って収入を得ないと次の動きもなにも実現しないのか…。”会社の中にレーベルを作って事業としてそれを運営していく”ということの本当の意味を、この時にようやく気付かされた。(遅いな!)
その時点で残された時間は1週間くらいしかなかった。もっと買ってもらわないとこの先がない。やれることはすべてやり切らなければ達成はありえないだろうなと覚悟を決めた。行ける日は平日でも会場に行って、人がそこそこ集まったらゲリラ弾き語りミニライブを始めて、物販カウンターではジャケット写真そのままの格好をしながら「このCDもすごくいいんですけど、一緒に買いませんか?」とお客さんに問いかけ続けた。
中身はいいんだから損したなんて思わないはずだという自信はあった。ノリでとか、試聴して良かったからとか、買ってくれる人もちゃんと居てすごく嬉しかったし、反対に、あっ私はいいです〜と断られることも、初めはショックを受けたもののすぐに慣れた。気付かないまま帰られるよりも、「あの人にCD薦められたけどわたしは断った」という記憶を刻んでおくことが絶対に大事なのではないかというポジティブシンキングも獲得し、おれは2兆円薦めマシーンになるのだと言い聞かせながら過ごしたラストデイズだった。遊泳グラフィックにてなんの前情報もなしに2兆円を買っていただいた方々、あらためて、本当にありがとうございました。
結果的には、そこまでしても、目標には届かなかった。(なんとかツアーはできた)。目標設定がどうのと慰めることもできたけれど、自分で決めたことが達成できなかったという事実は自分の中に深く刺さった。もっと早いタイミングで同じように動けていれば、出会えた人がもっと居たかもしれない。くっそー。いい作品ができましたということだけでは、広がっていかないのだ。作品をしかるべきところに運んで、いろんな人の耳にどんどんねじ込んでいかないとダメだ。それができない限り、音楽家として仕事して生活を続けていくことはできない、ということを痛感した一ヶ月だった。
その反省をふまえて、その後はとにかく会う人会う人すべてに僕がやっていること、2兆円のことなどを紹介するようにし、是非聴いてくださいそしてよかったら感想を下さいと、息をするのと同じような自然さでそういうことを常に差し挟んでいくようになった。とりあえず出会って聴いてもらわないと何も前にすすまないから、作品の良さを信じて広め続けようと。
そういう姿勢の変化があった先に、冒頭に述べたようなラッキーの連続が起きた。だからラッキーは無差別じゃないなという気持ちがある。ああ、ちゃんとやればどこかから返ってくるんだなという実感がどんどん立ち上がってくる。僕自身がピュアに楽しんでいれば、そうした目に見えないなにかからの応答が今後も必ず起き続ける。そんな気がするのです…。
さて、5/8(火)の2兆円ツアーファイナルも、そんな話の延長線上にあるわけですけれど、ちょっといっぺん、観てみようかななんて気になってきませんか…??きましたよね。はい、チケットこちらから購入できます☟
ゲストアクトは澤部さん率いるスカートだし、レコーディングからとても尽力してくれたDrあだち麗三郎さんとBass池上加奈恵さんに支えられてるバンド編成のサウンドも、ほんとにとっても良いです。身体で感じにきてほしいと思ってます。どうぞよろしくね!!!!
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こんばんは!今日も寒いですね。展示のお知らせです◎
STOCK MEMBERS GALLERY 2018
日時:2月13日(火)〜2月23日(金)
11:00-19:00 土日祝/休
会場:株式会社竹尾 青山見本帖
弊社の田代が青山見本帖にて展示に参加します。紙をテーマに収集・編集したコレクションを発表します。
初日の夜にはオープニングパーティを開催いたします。オープニングパーティでは寿喜多のみなさまが今回の展示内容をイメージした特別な料理をご用意してくさだる予定です。楽しみ〜〜
STOCK MEMBERS GALLERY オープニングパーティ
日時:2月13日(火)19:30〜
会場:株式会社竹尾 青山見本帖
ケータリング:寿喜多
どなたでもご参加いただけますので、みなさまお誘い合わせのうえお越しください。一緒に展示する濱 愛子さんの作品もお楽しみに◎
今回のSTOCK MEMBERS GALLERYでは、計14人のクリエイターが5回にわたり青山見本帖の店内にて個展を開催します。田代の展示はそのうちの2回目なのですが、他の回もそれぞれ面白くなりそうですのでお時間のある方はぜひ5回とも足を運んでみてはいかがでしょうか…!
#01 大崎奏矢/栗原優香/寺本 愛 1月29日|月|‐2月9日|金|
#02 田代祐美子/濱 愛子 2月13日|火|-2月23日|金|
#03 高橋 順/ふくまさ/盛澤 優 2月26日|月|-3月9日|金|
#04 神田宇樹/相馬敬徳/若林亜美 3月12日|月|-3月23日|金|
#05 宇野智美/中島雄太/細谷百代 3月26日|月|-4月6日|金|
また、展示を開催するにあたり、相馬敬徳さんと一緒にDMのデザインも担当させていただきました。活版印刷+紙象嵌のスペシャル仕様です。活版印刷はAllright Printingの檜垣が、紙象嵌は東北紙業社さんが、断裁は篠原紙工さんが美しく仕上げてくれました。
活版印刷も紙象嵌も、お金がかかりそうな加工だな〜〜と思っていたのですが、それぞれ予算内で出来る最良の印刷・加工方法をご提案してくださったので安心してお願いすることができました。企画の段階から職人目線でのアドバイスをもらえたのもとても有難かったです。
どちらも親身に相談に乗ってくれる会社ですので印刷加工にお困りの方はご連絡してみてはいかがでしょうか。東北紙業社さんのホームページは公開したてですのでこちらからご覧ください。(デザイン=Allright)
話がそれてしまいましたが、みなさまのご来場心よりお待ちしております◎
.ts
今夜は高円寺のGallery cafe 3(スリー)さんで
東郷清丸レコ発ライブツアーなのですが、
ゲストとしてわたくし北條もトークで参加させていただくことに。
星読みについてお話をするんですが、
そもそもなぜデザイン会社が星読みに力を入れているのか。
疑問に思っている方もいますよね。
トークの前に自分の整理も兼ねて
ちょっと綴ってみようと思います。
まず。
私の中では、デザインも星読みも同じカテゴリーにいます。
どういうことかというと、
デザインは、クライアントさんと言われる発注者がいて
解決したいことがあって依頼をうけて形を作っていくんですね。
新しいプロジェクトをするんだけど、
そのロゴを作って欲しい、とか
新商品を開発しているんだけど、どんなパッケージがいいだろうか、
など、最終的に目に見える形に落とし込んでいくのが
いわゆるデザインのお仕事です。
で、目に見える状態にするまでに
目に見えない部分を探っていく作業が結構あるんです。
そもそもどうしてそのプロジェクトをすることになったのか
そのプロジェクトをすることで社会にどんなことを提供しようとしているのか
どんなメンバーが関わっているのか、どんな人たちに届けたいのか。
そういったことをひとつひとつデザインの視点から聞いていき
明らかにしていく工程がとっても重要なんです。
「あの会社のあのロゴ格好いいからあんな感じ」なんて言われたりもするけど
ただ形を真似ても意味がありません。
目に見えない「思い」の部分は会社によって様々。
そこを掘り下げていくんだけど、
その前にクライアントさんと信頼関係がないと本音も拾えないわけです。
そういう根っこの部分や会社のそもそもの存在意義なんかを聞いていくと
経営者じゃない限りは、「そこまで考えたことなかった…」なんてこともあります。
そうしてはじめて自分の会社のことや
プロジェクトのミッションなんかを改めて考えていくわけですね。
なので当初の方向とずれていくことも珍しくないんです。
そうして唯一無二の形を作っていくわけなんです。
結構地味でしょう、デザインって。笑
で、これは「社会的」な角度からのアプローチですが、
星読みは、同じようなことを「個人的」な角度からやるわけです。
具体的な方法としては、生まれた時間と場所から計算した
出生図と言われるものを読んで行きます。
太陽や月などの10の天体が生まれた瞬間に何座にあったのか
その天体と星座のキーワードはどんなことなのか。
これがね、とってもその人個人の成長に影響をしているわけです。
忘れていたことや、自分では意識しずらい部分、
そういったことをじキーワードを元に質問していって、
思い込みや他の人との違いなんかを体感していく。
そうしてはじめて「自分」というものが立体的に感じられるんです。
出生図は、他人と一緒ということはありえないので
それこそ唯一無二の自分のエネルギーを写した地図として
いろんなことを教えてくれます。
これからの時代は、この個人の資質がさらに重要であり
自分でそのことを「知っている」ことが必要だと感じています。
個人が成熟してはじめて社会も成熟していく。
そのことを少しでも推進できたらと思って、こういう活動をしているわけです。
自分が何を喜び、幸せだと思うのか。
それって本当は自分しかわからないこと。
そのささやかな気持ちを大事にしてあげられるのは自分です。
そういう上に社会が成り立たないと
本当に必要な形も生み出せない。
今年はそういう個人の部分に働きかける活動も
デザイン・活版・音楽を通して力を入れて行きますので
どうぞよろしくお願いします◎
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みなさまこんにちは。Allright Musicのイベントのお知らせです!
Gallery Café 3 × Allright Music「2兆円」レコ発ツアー
日時:2月4日(日)
〈昼の部〉15:00開場/15:30開始
〈夜の部〉19:00開場/19:30開始
会場:Gallery Café 3
高円寺のGallery Café 3さんと、コラボイベントを開催いたします。あたたかいコーヒーと一緒に東郷清丸の弾き語りを楽しめる、とっておきのイベントです。
〈夜の部〉ではゲストとしてAllrightの北條舞も参加し、トークセッションを交えながらのライブを行います。音楽について、星読みについて、いつもとはちょっと違った角度からAllright Musicをお楽しみいただけます◎
会場の壁にはこの日限定で?田の△の絵が展示されます。書き下ろしの作品もございますのでお見逃しなく〜〜
また、東郷清丸をモチーフにしたGallery Café 3さんとのコラボクッキーも販売いたしますのでこちらもお楽しみに!
ご予約はこちらのフォームより承っております。昼夜ともに残りわずかとなっておりますので、気になる方は早めのご予約がおすすめです。
日曜に素敵なカフェでゆったりと音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか。おひとり様でもお楽しみいただけます。話しやすい雰囲気のイベントですので、ぜひ会場で東郷&北條に話しかけてみてください〜
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
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みなさまあけましておめでとうございます。あっという間に1月末ですね。
展示のお知らせです!
高田がJAGDA京都地区主催の展示に参加します。
会期:1/26(金)〜2/7(水)
会場:高台寺圓徳院
先週末、展示を見るためAllrightのみんなで京都に行きました。
作品は高台寺圓徳院の境内に展示されています。和室のあちこちに作品が展示されていて、作品を見ながら圓徳院全体をぐるりと回るようなイメージです。
会場を回りながら枯山水や襖絵を眺める事ができ、今回のテーマの展示作品だけでなく、圓徳院全体を楽しめる展示でした。
畳の上でグラフィックデザインの展示を見るのはとても新鮮だな〜と思いました。穏やかな気持ちでゆっくりと作品を見られると思います。(展示の詳細はこちらをご覧ください。)
外国の方にも優しい表記!作品の全体像は現地でご覧いただけると嬉しいです◎
京都の土地とグラフィックデザインを同時に楽しむことができる、面白い展示です。ぜひお越しください。
今年も楽しい1年になりそうです。本年も、Allrightをどうぞよろしくお願いいたします◎
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第5回 オールライトインタビュー
オールライトインタビュー!
今回はAllrightの取締役兼アートディレクターの高田唯さんにインタビューしました。デザインについて、今の時代について、お仕事について、生活について、色々とお話を伺いました!
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──まずはデザインについて。ゆいさんの世代は、巨匠と呼ばれるようなアナログ時代の方々の仕事を間近で見られる最後の世代であり、インターネット世代の若者とも話が合う、今の日本の真ん中の世代であるように思っています。また、JAGDAやTDCなど、日本を先導するデザインを審査する立場でもありながら、東京造形大学の教員として学生の作品にも触れており、日々様々なデザインを見ながら生活されているな〜と思うのですが、今いちばん関心があるのはどの世代のデザインですか?
さすが(笑)。いい質問ですね。既に亡くなっている方のデザインは更新されることは無いけれど、これまでの日本を引っ張ってくれた方のデザインを見ると、やはり今でも新たな発見があります。だけど世の中には常に新しいものが生み出されているので、過去のデザインにはどうしても視覚的に限界があるのかなとも思っています。本当にたくさん見てきましたし。同世代や僕達より若い世代の人たちに関しては、デザインの表現というよりは動きかたの方が気になるかな。未来の働き方とかを若い人がどう考えてるかを知りたいかな〜。興味はそっちにありますね。
──ゆいさんは普段のお仕事でも様々な年齢の方とご一緒されていますね。例えばイラストレーターの方など、特に若い人の才能を見つけるのがすごく上手だなと思っているのですが、インターネットが発達し、様々な作品があふれる中で、作品の相性が合う作家さんはどうやって見つけているのですか?
鋭いですね〜(笑)。なんだろうね、表現は違えど自然と見えてしまう部分があるというか、その人がどうやって形を追いかけているのかとか、どういう精神で線を引いているのかとかって一瞬で分かっちゃうんですよ。最近だとInstagramで新たな表現に出会うことが多いのだけれど、その人が何を大切にしているのかが形から、ストックのしかたから瞬時に察せるようになったんですね。それで自分の力量と限界も分かっているので、僕達が絡む事で相乗効果というか、かけ算みたいになるようなそういう表現にしていきたいなと思って、そういう事が可能だろうなと思う人達に声をかけています。やっぱり新しいものに僕自身が一番出会いたいし、意表を突かれたいし、そういう解釈があったかー!って感嘆したいんですよね。
もちろん最終的にはこちらが責任をもって形にしなきゃいけないから、人にお願いをするというのは見えない賭けのようで怖い部分もあるんだけれど、なんというか、この方だったらきっと大丈夫だろうなという事を見越しながらお願いしているかな。
──Instagramなどで作家さんを見つける時は、1枚でぱっと決まることが多いですか?
そうだね、まずは流れてきた1枚でぱっときて、それで他の作品を見てお願いすることが多いかな。Instagramは審査会だよね。みんなもそうだと思うんだけれど、今ってインターネットで〈良い/悪い〉を瞬時にジャッジできるようになってるよね。だからもう、みんな審査員だなという感じがするし、そういう意味ではむしろ若い人の方がきっと目利きが多いんじゃないかなと思っています。だからデザイン関係の審査会場にも若い人を引っ張っていきたいなと思っていて。若者を増やして審査の基準を新しくすることで、予想外の作品にも票が入るようにしたいなと思っています。
大学で教員をしていて若い子達を見ている分、そういうところに目が行きやすいのかもね。若い人達はどういうところに興味の目が行っているんだろうとか、誰のデザインが好きなんだろうとか、どうしたって知っちゃうよね。最近では東京造形大学のパンフレットのイラストを学生にお願いしたり、大学案内も在校生や卒業生にお願いしたりとか、そういう未知数なところに賭けたいと思ってるかな。経験値がなくても作品がよければサポートしながらやれば良いものは絶対にできる。予想が出来ない方がやっぱり僕はわくわくするし、お願いされた方もドキドキしてくれるだろうし、新たな発見にも繋がるから、どちらにとっても新鮮で良いなと思うんだよね〜。
とにかく見てるんだよね、新鮮で純粋な表現を。どのぐらいの熱量なのかとか、どこまで自分が作っているものに世界観を見出せているのかみたいな所を期待しているんですよね。醗酵具合をみているというか。
──醗酵具合!
うん(笑)。どれぐらい表現を醗酵させているのかというか。どれぐらい熟成されているのかというか。出だしの頃は浅漬けのような感じで、浅漬けの良さもあるんだけれども。でもやっぱり熟してきた時の、より深みが出てコクが出てみたいなところを常に観察してる。だから大学では学生のぬか味噌をコネコネしている感じかな。まだまだー!浅い浅いー!みたいに(笑)だから我々世代以降の人たちに期待をしています。自分達より上の世代の人でも、特に永井一正さんは毎年とても実験的なことをしているなと思うし、今でもずっと進化を感じているんだよね。すごいな〜と思って。上の人にももちろんそういう人はいるので、世代別というよりも?何かを見つけちゃった人?を見ています。でもやっぱり若者のゼロからの爆発具合はやっぱりすごい。赤ちゃんの成長のような、日々の爆発的な成長は見ていて気持ち良いな。手探り状態でやっている人はハラハラするけど、予想外なことが起こるのでどうしても目線は若い人に行っちゃうかな。
──お次は仕事について。ゆいさんは仕事のスピードがすごく速いですよね。作業に限らず打合せがすごくスムーズだったり、紙選びや企画の段階でも判断の速さに驚くことが多いのですが、どうしてそんなに速く判断できるのですか?
ははは(笑)。ノリだね。だって分かんないんだもん。迷ってたら一生かかるからね。
──昔から判断は速かったですか?
僕の場合は脳みその出来がよろしくないので、情報がそんなに蓄積されないというか(笑)。紙の名前もなかなか覚えられないし、ざらっとした紙だな、とか、ツヤっとした紙だな、とか、なんとなーく感覚で覚えちゃう。その感覚の中にもまだ余白があるというか。ピンポイント過ぎちゃうとその紙が使えなくなった時に焦っちゃうだろうし、テンションが落ちるだけだから、そういうエラーもよし、と思って受け入れられるようにしているかな。何しろグラフィックに自信があるから紙が変更になった所でやばいな…ってことには絶対にならないと思っています。正直、全部上質紙でもいいと思っちゃってるし…。
──おお〜!
うそうそ(笑)。Allrightでは絶対的な自信や安心感を蓄積してきたので、紙質がどうのこうのでは揺らがないです。もちろん、こだわれるんだったらより良いものを選びますけどね。
──Allrightは絶妙なタイミングで何かがやってくることが多いですよね。(本の仕様を考えている時に面白い加工技術を持つ会社の方と知り合うとか、展示のキャプションの話をしている時に突然文章が得意な人から連絡が来るとか。)
そうなんだよね。物でも技術でも人でもそういうことあるよね。やっぱりそういう偶然をきっかけにするし、ヒロキ(個展のチラシ等で詩やテキストを書いてくれた加藤ヒロキ氏)とかまさにそうじゃん。きっとこちらが常に何かを待っているんだろうね。こんな人いたらいいな〜とか、こんな技術あったらいいな〜とか。待っているからそういう時にそういう人が現れたり、そういう技術が現れたりするんだろうね。常に何かを待っているからやってきたものにすぐに反応できるし…Allrightはラッキーの作り方がうまいんだろうね。
──ゆいさんをはじめ、Allrightの人たちは関わってくれる人を一緒に楽しませたり、スタッフ全員をやる気にさせたり、いい空気を作るのが上手ですね。
そうだね〜。やっぱり少しでもマイナスのエネルギーで仕事はしたくないと思っていて。「こなしていく」という意味の仕事ではなく、もっと楽しめるようにと思っているので必然的にそうなっちゃうのかしらね。楽しいことが仕事になっていくのは素敵なことだと思うから、より良いエネルギーで作りたいなとはいつも思っているね。最初はそういうのを意識してやっていたけど、最近は馴染んできて素でやっているのかもしれないね。
──Allrightは普段、生活や暮らしに関する話題が多いですね。
そうだね。まあ結局は生活だよね。生活と仕事の境の話は以前したけれども、生活と仕事とがどんどん混ざっていかないと勿体ないというか。生活と仕事を分けたいと思う人が大半なのかもしれないけれど、やっぱりそれは勿体ないなと感じてしまって。
生活も仕事もどちらも人生なので、仕事にも私生活を持ち込んで欲しいし、私生活でも仕事に役立つことが起こる可能性だってあるから、それがもっと一つになって、どちらも豊かになればいいな〜と思っています。お笑い番組を見て、仕事でもこういう話し方をしたらもっと上手くいくかもしれないなとか思ったりね。全員がそうならなきゃいけないとは思っていないんだけれど、全部一緒にしてしまった方がいい気がしてならないんだよね。そういう発想をおすすめしちゃう。
──ベース教室に通うなどの活動も、生活と仕事のどちらにも繋がっていますね。
そこ触れちゃうんだ(笑)。ベース教室、面白いんだよ。先生と二人っきりで、自分はどういう生徒であるべきかとか考えたり。やっぱり自分は優秀な生徒でありたいわけじゃん、それで頑張ったり(笑)。そこにはいつもとはまたちょっと違う自分がいて、こういう自分もいたんだ!という発見があって面白い訳ですよ。
──この10年間で、Allrightはどのように変化していったと感じますか?
根っこはやっぱり変わっていないかな〜。でもAllright設立当時はまだ25、26歳だったから経験も無いし何も分からないまま立ち上げちゃってめちゃくちゃ失敗もしたし、怒られたし、嫌な思いも沢山させちゃったし…毎日猛省してましたね。いまだにそうですけど。あそこでこうしとけば良かったな〜とか、こういう言葉を使わなければよかったな〜とか、そういう小さい反省をちゃんと自分に言い聞かせて、次はしないようにしようと毎日反省しながら10年経った、という感じかな。これからも反省は続けていくと思うんだけど、より良いものを提供するために反省は必要だよね。もはや修行だよ。でもそれがどこかで楽しいのかもしれないね。ちょっとずつ克服していって周りのみんなが喜んでくれたりみたいなね。そういう日々の繰り返しだね。
若い頃は自意識過剰だったし、みんなが自分の仕事を見てるんじゃないかと勘違いしてスカしてたりもしていたけれど、そういうのも30歳を過ぎてくるとどうでも良くなってきて。表現を追いかけるだけじゃなくてもっと大きな話をしたいというか、デザインに限らず生活のことだったり、地球とか宇宙のことだったり(笑)。
──宇宙(笑)。
宇宙はウソだけど(笑)。今の世の中のこととか見てると、最後にはやっぱり気持ち的な豊かさが必要なんじゃないかなって。唯一それを満たせるものがデザインだと思ってるんですよ。グラフィックデザインとかじゃなくて、もっと大きな意味でのデザインね。その思想が空虚の穴を埋められるんじゃないかということを日々確信していますね。とはいえAllrightを設立してまだ10年なので、まだ道中ですよ。Allrightはこれからもどんどん変化・進化していくだろうし、1年先が読めないぐらい目まぐるしく変わっていくだろうね。
──2017年も変化がたくさんありましたね。
ほんとね、個展も2つあったしAllright Musicも始まったし、これから事務所の引越しもあるし。この10年でも色々な人が入社してくれたし、色々な人が興味を持ってくれたし、これから先もそういうミラクルが続いてどんどん面白くなっていくと思っています。
あとは10年やってきたという小さな自信みたいなものもあって、気持ちが裕福になったのよ。良い意味で力が抜けてきて、よりやりたいことが出来るなーと感じています。海外でも個展をやると思うし、さらに色々な事にチャレンジしていきたいです。今、Allrightは本当に成熟してきたなーという感じがしています。昔思い描いていた「こういう会社があるといいな」に大分近づいたと思います。むしろ超えているかも。
──先が読めなくて、これからが楽しみです。
そうそう、そうなんだよね。先が全く読めないんだけれどワクワクしか無いよね。どんどん若い人達に頼っていこうと思うので、今後も助けてください(笑)。
来年は海外でも日本でも展示をやるだろうし、京都でも展示に参加しますし、トークショーも色々やるでしょうし、そういう所でAllrightの話もすると思うのでぜひ見に、聞きに来ていただけると嬉しいです。あとは清丸もまたCDを出すし、たっしーも展示をやるし、舞さんもイチも力をすごい発揮してるから、それぞれが新しい力をさらに爆発させる激動の1年になりそうだね。色々な人を巻込んでいきましょう。なのでこのブログの読者のみなさまもAllrightに巻込まれてくださいね(笑)。
──ゆいさんありがとうございました!来年も楽しい1年になりそうですね◎
みなさま本年もありがとうございました。来年もAllrightをどうぞよろしくお願いいたします。
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オールライトインタビュー!
今回はAllright卒業生、先週末結婚パーティを終えたばかりのスギさんこと杉田理恵さんにインタビューさせていただきました。Allrightについて、寿喜多について、石畳について、お話を伺いました。
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──まずは簡単な自己紹介をお願いします!
こんばんは、愛媛の石畳でハイパー主婦をしながら料理を生業としている者です(笑)。2014年の2月から2016年の9月末までAllrightに在籍していました。活版部門で入社して、兄ちゃん(北條と高田の兄である高田もとのりさん)のもとでお仕事をしていました。
──どういうきっかけでAllrightに入社されたのですか?
Allrightに入社するまでは仕事を選んでいませんでした。土日が休み/時給がよい/早く帰れるとか、仕事に対する意識はすごく低かったです。仕事も面白くないし、体調も良くなかったし、なんか色々良くなかったの。そんな自分が嫌で、何か変わりたいな〜、自分を変えたいな〜と思ってて。そんな時に舞さんのTwitterでAllrightのスタッフ募集の投稿を見つけて、その瞬間に何かがバーーーン!って来てこれかも!と思ったのがきっかけかな。(スギさんと舞さんは専門学校の同級生です)それで舞さんのTwitterに冗談で「応募しちゃおっかな」って送ったら「履歴書待ってま〜す」みたいな感じで帰ってきて(笑)。それでもう、それからすぐに履歴書を書いて。何枚も書き直して。取り憑かれる様に集中して書いてました。募集がデザイナー部門ではなく一般部門だったのもポイントだったかも。私にもできるかも!と思い応募しました。
──入社してからの生活は変わりましたか?
結構変わりました。今までは大手の組織の中に居たので、何か気が付いた事があってもそれを改善するのを諦めていたり、時間に縛られていたりしました。人間関係も複雑だったりお局様もいたりしたのですが…Allrightは全く違うよね。「自分で決めていいんだよ」みたいな、自分を中心にライフスタイルと仕事を混ぜてやっていく事が初めての経験だったので最初はすごく戸惑ったし、自由にしていいというのは分かっていてもそれを自分で決められませんでした。だけど途中からはもしかしたら私はそういう事を学びに来ているのかもしれないな、と思うようになりました。
──Allrightでの生活を続けて、さらに変化はありましたか?
うん!舞さんも熱く指導してくれてたからそれに応えたいという思いもあったし…どんどん変わっていくよね。全てが新鮮って感じで。
──スギさんは現在は退職されて新たな生活を送ってらっしゃいますが、今でもAllrightの考えが残っているなと思う事はありますか?
うん。思い返す事は多い。すごく多いよ!あの時こういう事があったなとか、誰かがこういう事言ってたなとか思い出す事が多いし、あとは何かに迷った時にAllrightだったらこういう答えを出すかも、とかAllrightだったらこういう風に動くかも、みたいに思うことはよくあるよ〜。
──スギさんをはじめ、Allrightは退職された方とも交流が続いているのがいいなと思っています。
そうね。この前もAllrightから清丸のライブ用のレシピ考案の依頼が来てすごく嬉しかったです。声をかけてもらえるからこちらからも参加しやすいし、飲み会に呼んでもらったりご飯会に呼んでもらったり、何かとみんなで集まる機会を作ってくれるから嬉しいなーと思っています。それがきっかけウエ(同じく元Allrightの上田真未さん)とも知り合えたしね◎
──ウエさんといえばスギさんと一緒に「寿喜多」の活動もされていますね。「寿喜多」についても伺いたいです。
「寿喜多」は私がAllrightに入社してすぐぐらいに舞さんと話をしていたら「なんかバーとかスナックみたいなのやっちゃいなよ〜」みたいな流れになったのがきっかけかな。それで折角なので活版も一緒に紹介しながらやりたいなと思って、毎回活字組版でメニュー表をつくっていました。とにかく毎月やる!ということを目標にしばらく続けました。
──「寿喜多」で振る舞われるお料理は全てスギさん考案のものとのことですが、レシピはどうやって思いつくのですか?
まずはその月の旬のものを書き出して、使いたい食材をチョイスして面白い組み合わせはないかな〜とか、これで作ったら意外とおいしそうだな〜とか、そういう事を考えながら組み立ててました。
──前回のインタビューで舞さんが、Allrightは会社が人に合わせていくという話をされていましたが、スギさんのお料理の活動はまさにその考えが表れていますね。
ね〜。ほんとそう思うよ〜。色んなものが揃ってきてるよね(笑)。デザインもあって、料理もあって、音楽もあって…イラストの中山くんがいて、写真の後藤くんがいて…。
私がAllrightに居た頃はお昼ごはんも作ってました。ほとんど毎日。これもAllrightが私をうまく利用してくれました。お客さんを呼んで10人位で一緒にごはんを食べたり、夜にお酒を飲む会を開いたりしていました。Allrightの人は料理が大皿で出てくるのが好きだったので、大皿でぼんぼんぼんって出して、それをみんなで取り分けて食べてました。
──(スギさんは今年ご結婚されて今は愛媛県の石畳で生活されています。)石畳での新生活についても聞かせていただきたいです。まずは昨日のパーティーはいかがでしたか?
昨日のパーティは…ほんとAllrightさまさまですよ。舞さんも司会をやってくれて…。「バー寿喜多」のお客さんもパーティに来てくれていました。他にもウエがしていた指輪がきっかけで知り合った友人だったり、色々な繋がりがあって面白かったです。あんなに大勢集まってくれると思ってなくて…(約130人!)。みんなが集まってくれて本当に嬉しかった!
──スギさんの登場の仕方にびっくりしました。(黄緑色のキラキラの衣装で花嫁自身が歌いながらの入場)
あれだけはどうしてもやりたくて。幹事の方にも他は何でもいいのであれだけはやらせてくれと伝えました(笑)。
──かずさん(旦那さん)の話も聞かせてください。お二人はスギさんがAllrightに在籍中、仕事で訪れた愛媛県の石畳で出会ったとのことですが、どういうきっかけで知り合ったのですか?
はじめは私が石畳でお餅を作るお手伝いをしていて、その時に同じ班だったんです。「もう疲れたんか東京のひとは。早いの〜」とか言われたりして(笑)。そんな感じでその時は特に会話もしていませんでした。それから食事の集まりのときにかずくんもなぜか居て、冗談で結婚の話題が出たりもしていたのですが(笑)。その頃はまさか自分が将来石畳に住むとは思っていませんでした。
──新生活はいかがですか?
かずくんはもちろん夫婦としてのパートナーというのもあるんだけど、料理の仕事のアシスタントもしてくれるビジネスパートナーでもあり、兄弟のようでもあり、親子のようでもあり、恋人でもあり、すごくこう…2人でいると全ての事が大体うまくいくというか、そんな不思議な関係です。一緒に住んでいても違和感が無いし、周りの人からよく東京の人が愛媛の田舎に来ましたねみたいなことを言われる事が多いのですが、私からすると場所がどこかではなく、かずくんのところに嫁ぎに来た、それがたまたま石畳だった、という意識なので愛媛に嫁ぐことに抵抗も無く、新しい生活にもすごく自然に慣れることができました。
──いい話…。ありがとうございます。石畳のおすすめの時期を教えてください。
石畳は原風景が残っている場所なので都会の人は新鮮だと思います。時期は暖かくなってからが特におすすめかな〜。見どころは3月から4月の桜の時期。樹齢300年以上の大きな桜があってその桜が見られる時期はおすすめです。あとは5月6月には菖蒲が咲いてきれいです。新緑の時期もいいですね。栗は8月の末頃から10月のあたまぐらいまでが時期かな。
──それでは最後に、今後の活動について教えてください。
1月20日(土)と2月24日(土)に「寿喜多」の料理のイベントを東京と愛媛で開催します。私が料理監修させていただいている「内子晴れ」という古民家ゲストハウスとのコラボで、ワークショップを交えながらお料理とお酒をお楽しみいただくイベントです。是非お越しください!!
──スギさんありがとうございました!「寿喜多」の情報はこちらからご覧いただけます。イベントはお席に限りがあるようですので事前に予約しておくのがおすすめです。今後のスギさんの活動も楽しみにしています。
※ちなみに「寿喜多」は全世界出張OK(!)とのことですので海外にお住まいの方もぜひご連絡ください〜
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今回はAllrightの代表、北條舞さんにインタビューしました。
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──2017年、Allrightでは様々なことがありました。まいさんから見た2017年はいかがでしたか?
やったことのないことに挑戦した1年だったと思います。まず、1月には新しいスタッフが入ってくれました。それから秋に唯さんの個展があり、同じタイミングで清丸と音楽レーベルのAllright Musicを設立し、私はイチと一緒に唯さんと清丸が世に出ていくサポートを頑張ったかなーと。
あとは結構迷いましたね、色んなことを。自分が代表になると言ったのも、それが本当に正しいのか、自分は本当に良い選択をしているのかと毎日迷いました。
──(今年、10/20にAllrightは代表取締役が高田唯から北條舞に変わりました。)まいさんが代表になったきっかけを教えてください。
まず今年は…会社に行かないという時間を作ってみました(笑)。それから心理学や形而上学、占星学など、目に見えないものをかなり深く学びました。学びを進める中で、「会社に行かない時間を増やそう」というように、自分の中でふと感じるものがあり、実行しました。こういう行動が出来たのもみんなの支えや、これまでの11年間があったからこそ体験できたことだと思っています。そうして体感していくなかで、同じく、ふと、「代表として動くこともありかもしれない」と感じて唯に相談したんです。そうしてどこか流されるように代表になりました。もちろん、決断するときはとても勇気がいりましたけどね。
私は自分のことを「調整役」だと思っているので、常にあらゆるものに気付ける状態でないといけないなと強く思っていて。そのためにお金をかけて何かを学んだり、体制を変えたり、役割を変更してみたり。こうして振り返ってみると、今年は挑戦した1年だったなと。
──例えば「今年はあまり会社に来ないようにしよう」とか、「会社で音楽部門を立ち上げよう」とか、Allrightは"会社とはこうである"という決まりが無く、人に合わせて会社が変化していくような不思議な組織だなと思っています。そういう考えはどうやって生まれたのですか?
大元は、私が「会社」という組織の体質に本質的になじめなかったことかな。もちろん普通にお仕事はしていたけれども、どうしても気持ちがついていかなかった。自分が納得できないまま規則にあわせて物事を進めなくてはいけないことや、ささやかな疑問さえも、ルールだから、みんなそうしてきたから、と大切にしてもらえないこと。そのショックは大きかったと思います。「会社組織」で生きるには繊細すぎて、頑固すぎた(笑)。
でもやっぱり、会社は人ありきで、形や決まりありきではないと思うんです。例えば、おいしい食事を楽しく食べたい!とか、そういう根本的な欲求がいちばん大切で重要だと思っていて。よくある会社のように◯時だから食事、◯時だから休憩、◯時に来て◯時に帰る。そういう決まりではなくて「みんなでおいしくご飯を食べよう!」という気持ちが大切だと思っちゃうんですよね。
ルールではなく、自分がどうしたいかが何よりも大事という思いはずっと変わっていませんね。「会社という組織はやりづらい」というのももしかしたら思い込みかもしれないので、本当にそうなのかな?ということを確認するために会社を作って色々なことに挑戦しているんだと思います。なので特別なことをしているという気はしていないんです。
──なるほど…!
そう。何をしたいかに合わせて組織の枠が変わっていく。幸せの定義もひとりひとり違う。だからAllrightは次々と変化していくんでしょうね。そんな感じなんですよ、いつも(笑)。
──これから先、Allrightはどう変化していくと思いますか?
そうだね〜、有機的に変化していくだろうとは思います。Allrightが大切にしてるのが「その人がその人らしく表現をする」ということなのだけど、この「表現」というのは形をつくるという意味に限らず、ご飯を丁寧に作るとか、子供を育てるとか、言葉に気をつけて生きるとか、アイロンをきちんとかけたハンカチを持つとか、そういうことももちろん含みます。本当はどうするのが自分にとっていちばん幸せで、どうすれば自分らしさが発揮できるのかということを知るのが大切だと思っているので、Allrightメンバーひとりひとりが自分らしく生きれば当然変化していくだろうと思っています。どう変化するかは未知だけど、絶対楽しい方向にいくと思います。
──まいさんといえば星読み(占星術?)というイメージが最近強いのですが、星読みもそういう意識から始めたのでしょうか?
そうだね。まずは自分を知りたーい!と思って(笑)。
──先日、趣味ではなく会社や社会に活かす為に星読みをしているという話をされていたのが印象深かったのですが、どうやって星読みにたどり着いたのですか?
なんだろう…?惑星や星座を表す形、シンボルがしっくりきたのかな。やっぱり両親がグラフィックデザイナーという環境で育ったことはとても影響していると思うので、形で表されているのが入りやすかったんだと思います。目に見える状態で、人に説明もしやすいことから占星術にたどり着いたの気がします。同じホロスコープ(星の配置図)でも読む人が違えば、着目点も違うし、伝える言葉も人それぞれ。そういうところも表現の可能性を感じてワクワクする部分かな。
占星術は歴史が6000年とも言われていて、そんな情報や叡智が詰まったシンボル、つまりデザインはとても魅力的です。そこから何を感じるか、見通していくかは、会社や社会にとても重要だと思うんです。
──星読みを始めてから、人の見方や接し方も変わりましたか?
変わりました!◯◯座っぽい!てなったり(笑)。でも既存の情報にとらわれすぎず、本にはこう書いてあるけど私はこう感じるな、とか「ん?」と思う自分の感覚や違和感に気付くことも大切にしています。
──仕事も星読みも、根底にある気持ちは同じなんですね。それでは最後に締めのお言葉をお願いします!
Allrightメンバーもいわゆる生活者として、今の時代に沿って、それぞれが良い状態で生活していけるのが一番自然だなと思っています。そのために身近なことを今まで以上に丁寧にコツコツやっていきます。そしてじっくり可能性を広げたり深めたりしつつ、今までより意識的に自分たちの意思を発信していくことに挑戦したいです!
──まいさん、ありがとうございました!
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きのう12/5(火)、阿佐ヶ谷ロフトAにて
Allright Music設立パーティ無事終了いたしました。
ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました!
トークあり、オリジナルフードあり、新登場グッズあり
写真展示あり、そしてもちろんライブありと
満員御礼で、少々過ごしづらいところもあったかと思いますが
お客さまたちの心遣いにも支えられて、楽しいパーティになりました。
twitter上でみられた感想などは随時、下記にまとめております。
当日の様子をご覧になりたい方はどうぞ◎
https://togetter.com/li/1178799
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ここからはパーティーを終えての僕の感想。
きのうはすごく大切な場になったと思うので
12月5日(火)に阿佐ヶ谷ロフトAにてAllright Musicの設立パーティを開きます。
東郷清丸のライブをメインに、写真の展示やトークショーなど、見ごたえたっぷりの内容となっております。
当日に向けてAllright Musicグッズも製作中!
その1:2兆円メモ 500円
2兆円札が100枚入った贅沢札束メモ!糊綴じされているのでバラけず、持ち運びも便利です。お財布に入れたらお金持ちになれるかも◎
その2:活版ペンケース 500円
東郷清丸が活版で印刷したペンケース!糊を使わず抜きと折りだけで組み立てられている丈夫なペンケースです。
その3:キヨタイム 0円
東郷清丸を普及させるためのフリーペーパー、キヨタイム!ついに刊行です。表紙の版画は小原一哉さん作。Allright Musicの話から占いコーナーまで、よみごたえたっぷりのフリーペーパーです。(無料!)
物販の他にもライブ/トークショー/写真展/2兆円特別フードメニューなどなど、内容が盛りだくさんのパーティーです◎当日参加もOKですのでみなさまお誘い合わせの上おこしください。
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オールライトインタビュー!
今回はこの秋デビュー予定のシンガーソングライター、東郷清丸さんにデビューアルバム「2兆円」についてをインタビューしました。
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──「2兆円」の発売までのこり1週間、今の気持ちはいかがですか?
すごいわくわくしてます!発売日が近づくにつれて、ムードがどんどん盛り上がってるのを感じてます。今回のデビューにあたり本当にいろんな人を巻き込んだので、その人たちの期待も伝わってくるからかな。うん、だからすごいわくわくしてます。なんか起こりそうだな〜!みたいな(笑)。
──「2兆円」は清丸さんのファーストアルバムとのことですが、音楽活動は以前からされていたんですか?
15歳から始めたのでもう10年以上は音楽活動をしてることになりますね。
──先日、今回のアルバムでは全てを出し切った(全60曲!)のでもう手持ちの曲は1曲も残っていないという話が聞こえたのですが、それは本当ですか?
のこりゼロです。このアルバムには東郷清丸として活動する以前の曲も全て収録したので。出し切っちゃった(笑)。
──「2兆円」はタイトル、ジャケット共にすごく印象的ですね。どのようにして「2兆円」が出来たのか聞かせてください。
ジャケットの撮影のためにゆいさん(高田唯/アートディレクションを担当)とgtさん(後藤洋平さん/写真を担当)と奄美大島に行ったのですが、撮影前日、ホテルでカメラテスト中に偶然撮れた写真がすごく良かったので、その場でジャケットにすることを決めました。その時点ではアルバムのタイトルは決まっていなかったのですが、写真が撮れたその場でゆいさんがデザインを作りはじめて、ふと「2兆円」という文字をデザインに入れて…それがすごいしっくりきて(笑)。これだな、と思って決めました。
──先行販売やチラシの配布等で、徐々に「2兆円」が広まってきていますが、どんな反応をされることが多いですか?
反応は…まずは「このジャケットめちゃくちゃいいね!」と言われます。中身も評判がよくて、既に何度も聴いてくださっている方もいるようで嬉しいです。自分の曲は良い!と自分ではいつも思っているのですが、人からも良い反応がもらえるとより自信が付きますね。
──「2兆円」にはA面とB面があり曲数も多い(全60曲!)ですが、清丸さんとしてのおすすめの聴き方はありますか?
A面は、アルバムとしての流れを考えて作ったのでまずは頭からお尻まで、通して聴いてみてほしいです。B面は、もう好きなとこから(笑)。気になったタイトルから聴いてもらえればいいなと思ってます。
──続々と取扱い店舗も決まっているようですね。
うん、このまま世界まで行きたいすね。
──デビューに合わせてイベントも開催されるとか。
はい!いちばん直近のものだと12月5日(火)にAllright Musicのレーベル設立パーティを開催します。音楽に限らず発信したいことがたくさんあるので、ライブだけではなくトーク等も交えて、「Allright Music」やこの「2兆円」をまるごと楽しんでもらえるイベントにしようかと!
──収録曲「ロードムービー」のPVも公開されましたね。これは自分たちで撮影したのですか?
道路に人を集めて等間隔に並んでもらい、1本の道を走る様子をそれぞれのスマートフォンで撮影してもらいました。端末によって写りが違ったりして、そういうところもいいですよね。ちなみに、もうひとつ近日公開予定のPVもありますのでお楽しみに。(こちらもすごくいいです!!!)
──音楽を作るというのはどういう感覚ですか?どういう風に曲は生まれるのですか?
日常的に結構口ずさんでいて…。
──たしかに、よく歌っていますね。
あとは人が見ていないところでもリズムをずっととってたり。ドツドツ言ってたりするんだけど(笑)。日常的にいつも何か着想を探しています。あと歌詞については、いつもぼんやりと考えていたことを歌詞を書くタイミングで結晶化させてる感じ。歌詞は、聴き手がまずはじめに世界観やメッセージを感じ取るきっかけの部分だと思うので、気を使ってますね。
──歌詞は誰の目線で書いているのですか?
えっとね、最近は結構、幽霊目線というか(笑)。誰かだったり自分だったりもするんだけど、現実ではなくもっと抽象的な世界で、自分が思っていることは他人が思っていることでもあり…みたいな、もうちょっとこう、意識を集合させる感じで思考してることが多いかもしれない。あとは、メロディとのはまり方や言葉数や単語そのもののパワーとか…フックとなる言葉とか、聴き手にずっとこっちを向き続けてもらえるように組み立てを考えています。
──自分の曲は普段から自分で聴きますか?
すごい聴きます(笑)。みんなと同じ目線で聴きたいと思ってわざと2〜3週間間を置いて聴いたりとかもして。ずっと昔に作った曲も、当時はぜんぜんだめだ…と思っていたのに改めて聴くと結構ちゃんとやってる…いいじゃん!となることもあって。製作している時と、時間が経って聴く時とでは心のバランスも結構違うな〜と思ったり。
──最後に、これから出会うファンのみなさまに一言お願いします!
面白がってもらえるようにたくさん頑張るから、面白がってついてきてほしいです!音楽は僕の人生をかけてやっていくことになると思うので、ちゃんと見ていてほしいなと思いますね。応援してください!
──清丸さん、ありがとうございました!
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東郷清丸デビューアルバム「2兆円」 11月22日(水)発売です。お楽しみに◎
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いよいよ「2兆円」が世にでていく日が近づいております。
11月22日(いい夫婦の日)、水曜日にいよいよ全国発売です〜〜!
そしでフライヤーも完成いたしました!!
ツアーの日程も続々決まっております。
直近はまず11/22(水)発売日の21時からココナッツディスク池袋店さんでインストア!
そして12/5(火)には阿佐ヶ谷ロフトAにてAllrightMusic設立パーティーを行います!!
会場によって演奏形態も違うので是非コンプリートめざして下さいな◎
バッチリ刷り上がったので、いろんなところで配ってきま〜〜す!
みかけたらもらって下さいね◎
]]>雑誌掲載情報!
現在発売中のブレーン最新号に?田の記事が掲載されています。
特集のテーマは「あれから10年」。オールライトは今年で設立11年目となりました。10年前のゆいさんについて、10年前のオールライトについて、インタビュー形式で取材していただきました。
制作物に関する具体的な話だけでなく、ゆいさんとオールライト自身の10年間を振り返るおもしろい内容です。(10年前の顔写真も掲載されています!笑)
他の特集ページもみどころ満載ですのでぜひ読んでみてください◎
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]]>みなさまこんにちは。
現在銀座G8で開催中の?田唯展 遊泳グラフィックが、残すところあと1日となりました。
まだ行っていない!という方も、もう一度見たい!という方も、明日までですのでぜひお越しください。
明日は午後から?田が在廊予定ですので、展示についても色々と聞けるチャンスです。展示のことでもそれ以外のことでもお気軽に話しかけてみてくださいね◎
また、この秋デビュー予定のシンガーソングライターの東郷清丸も午後から在廊します。只今G8では、東郷清丸のデビューアルバム「2兆円」が遊泳グラフィックの会場限定で先行販売されております。(明日まで!)一般販売は11月を予定しておりますので、気になっている方は明日中に会場で購入されることをおすすめします。アートディレクションは?田唯、写真は後藤洋平が担当しております。ジャケットだけでも凄く良いのですが、曲もさいこう!全60曲入りの豪華仕様です。本当におすすめ!
もちろんCDに限らず遊泳グラフィックには見どころがいっぱいですので、どうぞ最後までお楽しみください。会場でお待ちしております。
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]]>さて今回は〜清丸の歴史編〜続きです。ドゾ!
- - -
「音楽をちゃんと仕事にしてみよう!」
と唐突にひらめいたけれど、一体何をするのがよいのか。
僕がイメージしたのは、
アルバムを出してライブをして…いわゆるアーティスト活動と
映像とか空間とか、音楽を必要としているところへ
楽曲を提供することでした。
まずは今までやってきたことの延長として
先にアーティスト活動で注目を集めるべきかなと、
「東郷清丸」としての曲を制作しはじめました。
(いままではバンドとしてしか活動していなかったので
個人名義でやるというのも、僕にとって新しいチャレンジでした。)
それで一番はじめに出来たのが、ロードムービーです。
身近な人たちにもすぐ聴かせてみました。Allrightの人たちにも。
唯さん(?田唯)が「すごくドキッとした!」と言ってくれたし
ほかの人たちからの反応もすごく良かったので、
間違ってないな、と確信を得ることができました。
僕は高校生のころに初めて音楽をつくってからそれまで
自分の好きなタイミングで好きなようにしか曲をつくっておらず
1年くらい何も作らないなんて平気でしてたのですが
音楽で稼ごうと思っている人がそうではまずいだろうと
とにかく練習として、沢山曲をつくり出しました。
僕の得意分野は、歌が立つような音楽なので
メロディと言葉が蛇口をひねったらドバドバ出てくるような
そんな身体になれば次のステップが見えてくるかなと感じて
アコギと歌のみ、30秒くらいのシンプルなものでもいいからと
1日1曲を目標に、2ヶ月弱くらいは作り続けました。
※「2兆円」disc-Bの26曲めから51曲目までは
そのころ作った歌を抜粋して集めた物です。
- - -
曲を作ってはネットに上げる日々を過ごしながら
やっぱりライブとかで人前にも出なきゃなとは思っていて
avexやULTRA-VYBEが主催していたオーディションへ応募しました。
https://big-up.style/tokyobigup
いわゆるオーディションイベントって
あまり空気が良くないものと思い込んでいたのですが
このイベントでは、高校生のときにどっぷり浸かってた
NUMBER GIRLの中尾憲太郎さんをはじめ
松田“CHABE”岳二さん、MC sirafuさんという
僕が好きな音を作ってきた人たちが特別審査員をしていました。
音源選考を抜けさえすれば最終のライブ審査で観てもらうことができます。
このプロの人たちにも自分の音楽を聴かせて、感想をききたい。
直接話せるチャンス、チャレンジしないわけにはいかないと応募して、無事ライブ審査までこぎ着けます。
ライブ審査に進むことが目標だったので
通過した時点で、グランプリが云々とかそういうのは正直、気にしてなかったのだけど
当日本番の反応は上々で、審査員のみなさんとも話せた上に特別審査員賞も頂いて
結果すべてにおいて楽しませてもらったイベントでした。
そんなこともありすっかり自信をつけた僕でしたが
世間的にはやっぱりまだ全くの無名。
急いで自分のアルバムを作って世に出す必要があると感じて
そのための曲の制作に取りかかりました。
Allrightや周りの人たちを僕の活動に直接、巻き込みはじめたのがこの頃で
ジャケットを作ろうと?田唯さん、後藤洋平さんを連れて奄美大島へ撮影旅行をしたり
いろはフェスタ2017にて、インサツレンジャーのテーマソングを作ったりしてました。
そんな中、オーディション時の繋がりで
「良かったらうちのレーベルからアルバム出してみる?」と
うれしいお声がけをいただきました。
CDを出してお店に流通させるまでには
音楽の制作費やCDの製造費や流通費用や宣伝費や…
とにかくお金がかかります。
僕は当初、自分の出せる予算規模でやれることをやろう、と考えていましたが
レーベル発ということになればその辺の条件がだいぶ違います。
特に僕は無名ですので、レーベルから発売=中身の良さが保証されている、ということは
お店に並ぶ際にも大変有利です。僕は飛びつきました。
…が、実はそこではうまくいかなくて。
誰が悪いとかでは本当にないんですが、ただタイミングが合わなくて、
あんまり話が進まないまま時間だけが経ってしまいました。
今すぐアルバム作って次へと行きたかった僕は、そちらのルートは諦めました。
やる気と元気と音楽はあるのに、なかなか歩みをすすめられない。
そんな日々は悶々としていてとても辛かったですが
そういう時こそまた、脳と身体が自然とひらめきをもたらします。
「あ、オールライトの中に音楽レーベルを作っちゃえばいいのか。」
- - -
僕がオールライトの中で音楽をやるということは
目に見えることも見えないことも含めて、メリットがありました。
1つめは、時間的な問題。
僕はそれまで、会社の仕事が活版印刷、個人の仕事が音楽、と
おなじ仕事だけれども会社とプライベートを分けて考えていました。
オールライトの活版部門を担う人として入っているんだから
事務所で過ごす時間すべてに給与として人件費が発生していて
その時間内に個人の音楽仕事のメールとか、すべきではない。
そういう意識を持ちつつ、やっぱりそういう訳にもいかず
平日の昼間にもバンバン連絡とったりしてたんですけど(笑)
そういう曖昧な部分を極力排除しなきゃとは思ってたのです。
音楽の仕事をオールライトで出来るようになれば
その辺りも大手を振って、気持ちよくやれるようになるぞ、ということです。
2つめは、予算的な問題。
話を持ちかけていただいた先のレーベルからの発売は諦めたけれど
やっぱり僕個人で用意できる予算の範囲内でやるとなると、
規模としてはかなり縮小せざるを得ませんでした。
できる範囲で工夫しながら最善を尽くす、ということの大事さも良くわかっていたけれど
でもやっぱりある程度の初期資金はあったほうが、作品の質は段違いに素晴らしくなる。
オールライトで事業として制作するならば
僕個人では用意するのに相当な時間がかかる予算において会社の力を借りることができる。
それは作品のために、ぜひやらねばならないと感じました。
3つめは、エネルギー的な問題。
抽象的な話になるけれど、
オールライトにはものづくりをするのにもっとも良い空気が流れていたし
僕もそこに呼応しはじめていたので、音楽もここで生むべきだとなんとなく感じていました。
グラフィックデザインも活版印刷も、僕が音楽でこれからやろうとしていることも、
見た目が違うだけでやりたいことの本質は同じ。
また、僕は自分の力の小ささも自覚していて、もっと大きくなりたいと思っていたし
そのためには先を行って色んな経験をしている人たちに引き上げてもらう必要がある、とも。
あとは、オールライトとしても面白い働き方を提示することを欲していたし
飲みの席で冗談半分でレーベルとかやったらおもしろいよね、みたいな話もしていたので
受け入れてくれるだろう、と簡単な予算計画などを準備して、いよいよ相談しました。
話はすんなり通ったので、大きなできごとは起きてないですが
それはすごい発明だとおもう、と唯さんが言ってくれたのはとても嬉しかったです。
それが決まってからというもの、レコーディングやマスタリングなど
僕もなんのツテもなかったところに色々協力してくれたあだち麗三郎さんが現れたり
事態はまた急激に好転していくのですが、それはまた別の機会に記します。
以上、Allright Music設立までの歩みでした。
【CMコーナー】
もうみなさんは手に入れましたか!!??
絶賛会期中の「遊泳グラフィック」にて
Allright Music発足第一弾のアルバム、東郷清丸の「2兆円」販売中!!
会期は10/19までなのであとおよそ一週間。
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会期中最後の土曜14(土)には13-18時ごろ在廊します。
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2枚組で計60曲の特大ボリュームでなんと2,000円!
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グッドリズム/グッドメロディがぎっしり詰まった作品です。
どうぞよろしくお願いします〜〜
リード曲「ロードムービー」MVはコチラ↓
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さて、繰り返しになりますが我々は9月に
音楽部門「Allright Music」を立ち上げました。
きっと昔からずっと音楽やってたんだろうな〜と思われそうですが
「自分は音楽を仕事にするぞ」と本気で決心したのは
ちょうど1年前の9月。わりと最近なんですよね。
今回はそこに至るまでの経緯を振り返ってみます。
僕のおはなしです。どうぞご覧ください。
- - -
2012年の末ごろに遡ります。
バンド活動に勤しんでいた大学生生活が
いよいよ終わりに近づいてきた頃
僕の人生は全くのノープランでした。
色んな人から音楽の評価はすこし受けつつも、売れてる訳じゃ全然なくて
人生における「仕事」の役割とか、生活をすることとか、
ぜんぜん本気で考えていませんでしたし、
バイトしてたけどお金も全然なくて(むしろ奨学金がかさんで)…
「生きる為に働かなければいけないぞ」
とうとうそんな状況に追い込まれて、
周りより相当遅いタイミングで就職活動に乗り出したのでした。
どうにかサラリーマンになることができて
お給料もらって、暮らしてはいけるぞと少し安心しました。
そしたらやっぱりライブとかの音楽活動も楽しくて、やめられなくて
土日だけでなく、次第に平日も無理してやるようになっていきます。
当時の会社の人たちにもバンドをやってることは伝えてました。
音楽は自分の特技だから、隠したくなかったし。
その一方で、のめりこむと他のことを投げ出しがちな性質だから
全然のめりこめてない仕事のほうに支障をきたすことが多くなり
まず自分のやること、ちゃんとやったら?と
怒られることがだんだん増えていったのです。
元々は周りからも応援されて
自分でも好きでやってたはずの音楽なのに
否定されることが普通になってしまい
仕事もぜんぜん好きになれないし
そのうち全ての自信をなくして
どんどん疲弊していく毎日。
仕事ってなんだろう?
生活ってなんだろう?
人生とは…音楽とは…
そういうことを考えながら会社を辞めようとして
たまたま門を叩いてみたのがAllrightでした。
それが今から数えて2年前、2015年のこと。
- - -
ダメもとでの相談だったにも関わらず奇跡的に
活版印刷の職人見習いとしてAllrightに飛び込むことができました。
(端折ってるけどそこまでにも色々あったんです…でもそれはまたの機会に。)
活版印刷は自分ととても相性が良かったし
Allrightで仕事をすることができて
それ自体はとても嬉しかったけれど、
音楽をやることへの自信はなくしたまま。
そのうち僕は音楽を続ける道をついにあきらめて
デザイナーになろうと専門学校の夜間部へ入学します。
それまで造形的な創作など全くしたことなかった僕が
しかもすぐ隣にその道のプロたちがいるのに
わざわざ学校へ通いだしたのは、今となっては笑い話ですけれど
当時の自分としては、起死回生のチャンス、人生やり直そう!
本気でそう思っていたのです。
夜学に通うのは想像よりもずっと面白くて
そこで新たな友達と出会えたのも大変な刺激になりました。
でも仕事と、課題と、バンド(ここでもまだやってた!笑)と、
とにかく全てに手を出して楽しもうとしていたのですが
いまだに自分への自信みたいなものはズタボロのまま…
当時はそれを自覚することもできなくて
楽しくもあるけれどただただ悲しくて泣きたい…
そんな気分のままでなんでもかんでも手をだしていたから
なにも身につかないのにとにかく忙殺されていて、
そのうちすっかり搾りかすのようになってしまいました。
そんな状態がいまから1年前。2016年の8月あたり。
- - -
僕はいつも、「こうして物事を考えている僕」よりも
脳の無意識の部分や、意識のないはずの身体のほうが
ずっと早く正確に物事を察知していると感じます。
なにが辛いのか分からずに苦しかった夏、
ただ翻弄されるままの僕をよそに、僕の脳は、身体は、
勝手にいろいろな思案を進めてくれていたようで
捨てどきの雑巾のように布団に横たわって迎えたある日の早朝
「やっぱり音楽やろう、もっと真剣に」という意志が
ほんとうに唐突に、僕のなかにわき起こりました。
デザイナーになろうと思った気持ちは、自分にとっては
音楽をやりたいけどやれないという葛藤の産物で
そこから目を背けているばかりでは何も成就しないのではないか?
やっぱり音楽をやりたいんだよという
この超ピュアな欲求を、無視し続けていていいのだろうか?
音楽で生きていけないというのは本当か?やってみたのか?いや、やってない。
ちゃんと自分の能力をもって人の役に立って、自分で暮らす。
そういうことに踏み込んでチャレンジするほうが
自分にとって大切なことのはずだよな。やるべきだ!
そういう結論に至ったのです。
天啓ってこういうことなのかしら…?なんて思うのですが
覚悟決めてからはとても早かった。
その日のうちに学校を辞める決意をして
通学の為に協力してくれた人たちに謝り
Allrightの人たちにも、そういう決意を話して…。
(このときはレーベル云々の話はでてません)
「ちゃんと音楽で暮らしていくためには何が必要か?」
このタイミングで初めて、そういうことと向き合い始めたのです。
- - -
長くなりましたので、また次回に続きます!
すぐ更新しますよ◎
【CMコーナー】
絶賛会期中の「遊泳グラフィック」にて
Allright Music発足第一弾のアルバム、東郷清丸の「2兆円」販売中!!
会期は10/19までなのであとおよそ一週間。
これを逃すと次回は全国発売の11/22(水)まで入手不可能です。
世間で話題になる前にぜひゲットワイルド!してくださいませ。
会期中最後の土曜14(土)には13-18時ごろ在廊します。
その場でサインしますのでぜひ会いにきて下さい。
2枚組で計60曲の特大ボリュームでなんと2,000円!
2兆円から計算すると99.9999999% OFF!!!!!
見ためのインパクトも大きいですが
グッドリズム/グッドメロディがぎっしり詰まった作品です。
どうぞよろしくお願いします〜〜
リード曲「ロードムービー」MVはコチラ↓
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たとえば、昔よく聴いた曲のほんの一節を耳にしただけで
当時の風景や、匂いや、感情までもが蘇ってきたり
無機質な空間のなかにうっすらとBGMがかかっただけで
ふっと気分が軽くなったり…。
視覚や聴覚とはまた違う方法で
わたしたちの生活そのものをまるごと包み込む、音楽の力。
Allright Musicは、良いエネルギーを持った音と言葉と
それからハッとするような楽しいアイデアとを自由に組み合わせて
いろんな人生を彩る音楽を生み出していきます。
(2017.09.01)
みなさんはじめまして、Allrightの清丸です。
このブログをお読みの方はすでにご存知の方がほとんどだと思いますが
Allrightは2017年9月より新部門「Allright Music」を立ち上げました。
音楽レーベルを始めます、と宣言したところ、身近な方からも
「Allrightで音楽レーベルをやるってどういうこと?なにするの?」
「デザイン/活版のAllrightがなぜ音楽をはじめたの?」
などなど、さまざまな質問が寄せられました。
その辺りについては、
ハッキリしていることもボンヤリしていることもあるのですが
今後のAllright Musicの活動をより楽しんでいただくために、
この場を借りて連載形式でお答えしていきたいと思います。
本日はコチラ〜↓
レーベル発足のお報せをしてから最も多く聞かれたのが
「Allrightで音楽レーベルをやるってどういことですか?」
「そもそも音楽レーベルってなんですか?」という疑問でした。
辞書的な意味合いのことならば簡単になら説明できますが、
この質問への適切な答え方は、僕もまだよく分かっていません。
…というと先行き不安に感じられるかもしれませんが(笑)
まず確かなことが2つありまして
僕がおもしろい音楽を生み出せる、ということと
Allrightの中にはワクワクする「いいエネルギー」があること。
これらのシンプルかつ揺るぎない事実を足場として、
人が喜ぶよい音楽を作って、なおかつ自分もうれしいという場所を
よりたくさん開拓していこうと思っています。
手始めに東郷清丸の1st Album「2兆円」の制作/販売にこぎつけましたが
(その制作事情に関しても書きたいことは山のようにあるのですが)
これは、できることのまだほんの一部でしかありません。
今後、いまの僕が想像も出来ないような何か、を実現できる予感がビシビシありまして
そういう機会をちゃんと作れるように、色々動いていこうと思っております。
- - - -
次回は「なぜ音楽をはじめたの?」ということについて。
"グラフィックデザイン" "活版印刷"ときて、次がどうして音楽になったのか
書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
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グッドリズム/グッドメロディがぎっしり詰まった作品です。
どうぞよろしくお願いします〜〜
リード曲「ロードムービー」MVはコチラ↓
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できたてほやほやの年鑑第三号について、お届けします。
表紙にななめに貼りつけられたものは、極薄のレンチキュラーです。
富士フイルムさんの技術が集結した逸品。
富士フイルムさんにレンチキュラーをご相談した経緯は、
2017年春にリリースした、『PHO』の見本帳の制作でした。
↑『PHO』見本帳:富士フイルムの写真の印画紙技術から生まれた紙『PHO』。
絹のような質感で、発色が良く加工にも適している。
3色展開にケント紙、エンボス紙と豊富なラインナップになっている。
この見本帳を弊社でディレクション&デザインしました!
遊泳グラフィックの会場(Allrightの部屋の平台、冊子コーナー)にて展示中◎
ご担当さんにレンチキュラーのことをご相談したら、快く引き受けてくださいました。
レンチキュラーの表現はとても多彩で、
2コマや3コマに、絵が切り替わるチェンジングというものや、
絵が3Dのように立体的に見えるものなど様々。
今回はチェンジングを採用することに。スミのアウトラインは据え置きで、
色面が切り替わるようにしました。もっとパキパキ切り替わるのかな…と
想像していたのですが、前後の色が混ざり合ってきれいなグラデーションに。
このようなプロセス4色のデータを用意しました。
特色は一切使っていません。光の加減なのかRGBのような多彩な色域。
照明や見る角度で色が変わるので、表情豊かな表紙になりました。
はじめは水平垂直なデザインだったのですが…入稿直前でナナメに変更。
グランプリとロゴのページ以外は黒背景にしました!
通常年鑑などに作品が掲載されるとき、白ベースの作品は紙地との境目を表すため、
数%のスミアミを乗せて擬似的な白を作ります。
本来の紙の白さを表現したい!という声から、ドキドキの黒背景に挑戦しました。
クーターバインダーという製本により、のど元までしっかり開きます。
レンチキュラーは手貼りと伺いました。
更にレンチキュラーの段差によって干渉し合う本を傷つけないようにと、
一冊一冊丁寧にシュリンクをかけてくださいました。
細部まで技術と思いやりが詰まった年鑑になりました。
この場を借りて、関係者の皆様に感謝申し上げます。
結果的に3冊の年鑑のお仕事は、
一冊終わったら次…という具合で、同時進行になることがほとんどありませんでした。
一年中なんらかの年鑑に携わっている状態だったのですが、
わたしたちにとっては幸せな一年でした。
会期:10.19 木まで
時間:11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料
yt.
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はじめにお伝えしておきますが募集の記事じゃないです!スミマセン!
ありがたいことに、メールで時々いただくんですね
スタッフを募集していらっしゃいますか、と。
メールを下さる方の多くは就活をしている学生さん、
あるいは卒業したての方です。
つい先日も募集をしていますか、とメールをいただきました。
ありがたいなぁ、と思いました。
お返事をしました。
「今は募集をしていませんが、機会があればぜひご応募ください」と。
その後どうなったかって?
なんのお返事もありませんでした。
実は、今まで、募集をしていなかったタイミングでも
同じようにメールをくれてスタッフになった人もいたんです。
同じように、今は募集していないと伝えて。
それでもお返事をくれ、思いを伝えてくれたんですね。
会ってみよう、話してみよう、そういう思いにしてくれたから、
一緒に働くことに繋がった。
以前いてくれた中山信一くんは、まさにそうして仲間になってくれた一人です。
ある日、熱いメールを送ってくれて、私はそれに対して
どうしてうちに入りたいのか作文を送ってくれますか、とお願いしたんですね。
そしたら彼はお願いしたその日の夜に仕上げて投函してくれた。
そうしたらやっぱり会ってみよう、って思うじゃないですか。
その人の在り方を見たいと思うから。
もう一人、後藤洋平くんも、本当!!に!!!
しつこかったんです(笑
鞄持ちでもなんでもしますから!!!って。
いや〜マジでしつこかった。。さすがさそり座。。
今は二人とも卒業して、
それぞれイラストレーターとカメラマンとして活躍してますし
お仕事お願いすることもあります。
今いてくれている清丸もそう。
これから就活(&転職)をする人に申し上げたいのは
方法は一つではないということです。
もちろん、何をやっても結局は思い通りにならないかもしれない。
就職と転職はタイミングも大きいし。
でも、工夫したこと、一生懸命思いを伝えたことは無駄ではないんです。
あなたもわたしも同じ人間ですから、
もっと想像して、相手の立場に立てば
道は開けるのでは、って思うんです。
あの子はお返事くれなかったけれど、
次はなんとか繋がるといいね、という思いで書いてみました。
今日は『GRAPHIC DESIGN IN JAPAN〈2017〉』のお話です。
『年鑑 日本のパッケージデザイン〈2017〉』のお仕事が決まってから少し後に、
その話は突如やってきました。
「また年鑑の仕事がきた!しかも2冊も(笑)」
やりたいとは思っていたけど同時に3冊…
(その後すぐにスタッフを募集したのは言うまでもありません)
ページ割りを決める作業がとても印象的でした。
票数が多い順に、掲載する作品の面積を決めていくのですが、
サムネイルをコピー用紙にパズルのように並べては貼り並べては貼り…を繰り返しました。
JAGDAのスタッフさんと二人三脚で作り上げた資料。
この汗と涙の結晶は遊泳グラフィックの会場で閲覧することができます◎
このページの下のパッケージはお馴染みukaさんのお仕事。
(This Oneをいただきました!)
会場にパッケージの実物あるので見てください◎
「自分の作品が大きく載っていたら嬉しいよね!」そんな理由から、
掲載作品は余白ギリギリまで攻めて、大きくレイアウトしました。
とにかく作品の点数が多かったので、色校正のチェックにも時間がかかりました。
プリンティングディレクターさんと実際の作品を見ながら、
1点1点確認する作業。ポスターなど大型なものは引っ張り出すのも大変で、
JAGDAのスタッフさんに感服しました。
座って校正をチェックしているだけでもへとへとなのに…
ブレイクタイムのチョコレートが沁み渡りました。
若い世代のデザイナーさんにも届くものにしたい…そんな思いから、
表紙のアートワークを平山昌尚さんにお願いしました。
このお仕事を頂いた瞬間から、高田の頭の中では
“平山さんのイラスト”という構想があったようです。
早い段階から、机の横の壁にデザインラフが貼り付けられていました。
表は太陽、裏は月になっています。
平山さんにイラストをお願いするときは、高田が平山さん風にイラストのラフを作って
デザインの検証をしています。それが秀逸で面白かったりします。
ダンボールのケースは、最初から決めていた仕様ではありませんでした。
本が出来上がっていくにつれ、緩やかに決まっていきました。
表紙は黒かな〜、ケースはダンボールとかかな〜、、みたいな感じです。
なんとなく形になっていくのも、Allrightではよくある光景なのです。
こうして、『GRAPHIC DESIGN IN JAPAN〈2017〉』は出来上がりました。
他にも平山さんに参加してもらったアートワークは数知れず…
遊泳グラフィックの会場にもたくさん展示しています!
ぜひ探してみてくださいね◎
会期:10.19 木まで
時間:11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料
次回は、第三号『Tokyo TDC Vol.28』の裏話をお伝えします!
お楽しみに〜
yt.
]]>みなさまこんにちは。
現在銀座のG8で開催されております?田唯展「遊泳グラフィック」について、オールライトのメンバーにインタビューをしていきます。展示の見どころや制作の裏話、おすすめな楽しみ方など、これを読めば展示がもっと楽しくなりますよ!
第1回はいちさんこと山田智美さんです!いちさんは2009年にAllrightに入社しました。8年間Allrightを見てきたいちさんが感じる「遊泳グラフィック」について伺えればと思います。
--
──展示の開催が決まった時、どんな気持ちでしたか?
うそー!? すごーーーい! と思いました(笑)。
──今回の展示「遊泳グラフィック」はポスターのインパクトがすごいですね。初めてあのポスターを見た時、どう思いましたか?
うーん、いい意味で驚かないというか、ゆいさんだからそうなるだろうなと思いました。いつもそんな感じかも(笑)。昔はゆいさんの提案するものに対して「オリエン聞いてたんですか!?」と衝撃を受ける事もありましたが、慣れてきてそれも自然に受け入れちゃうようになっています。
クライアントさん相手だと、こちらがベスト!!と用意した案が通らないこともありますが、それを「絶対に通す!」ということはなく、通らなかった案のおかげで、新しい意見を聞き出すことができるので、どのアイデアも無駄にならないと思います。
──展示の一部屋目、「Allrightの部屋」にはものすごくたくさんの作品が展示されておりますが、これまでの仕事をずらーっと見てどのような気持ちになりましたか?懐かしく感じましたか?
不思議なもので、あまり懐かしいとは思いませんでした。その作業をしていた当時の状況を振り返れば、懐かしいなぁと思うのですが。流行を意識して作っていないからかもしれませんね。
──他の部屋についてはどう思いましたか?
「ゼミの部屋」が一番楽しみでした。「Allrightの部屋」については自分が関わっているのでだいたいの予想はついたのですが、「ゼミの部屋」はどうなるのかが全く見えていなかったので。
授業の内容はもちろんですが、特に展示の方法が衝撃でした。ガムの作品を展示するとは聞いていたけど、設営中にゼミ生を集めて、ガムの造形物を作り出したのには驚きましたね。
あとは普段使っているコピー用紙に出力したものをそのまま展示したり、そういう柔軟なところがAllrightだな〜と思いました。せめてもうちょっと良いコピー用紙買っておけばよかった…(笑)。
「三角の部屋」も実は年代物の古い紙を使っていたりして、そういう実は…な所がいろいろ隠されているんじゃないでしょうか。
──展示が始まって約2週間、特に印象に残ったことは何でしょうか?
一緒に仕事をしてきた方が展示を見てくれて、感想を言ってくれたことがすごく嬉しかったです。
──今回の展示でここは絶対見てほしい!というポイントを教えてください。
裏面かな、裏面まで気を抜いていないというところは見てほしいです。本の中面の小さなところとか。
あとは作品の近くに貼ったキャプションも見てほしいです。カメラマンさんやイラストレーターさん、映画文字を書いてくださった方など、ここに至るまでにたくさんの方に関わっていただきました。表層的な部分だけではなく、そういった少し細かな部分にも目を光らせてもらえると面白いことが見つかるかもしれません。
──物販コーナーも充実しておりますが、いちさんのおすすめ商品は何ですか?
年鑑3冊(パッケージ年鑑/JAGDA年鑑/TDC年鑑)ですね。ひまさんのアートワークが入ったビニール袋が会場に到着したのでJAGDA年鑑を買ってその袋に入れてもらうとか、最高の組み合わせですね。
──いいですね…!最後に、これから展示を見るみなさまに一言お願いします。
1回だけでは見きれないという声が続出しておりますので…出来れば2回来るなりしていただけると(笑)。あとは、「こんな事が聞きたい!」とかそういう意見をいただければブログでおこたえすることも出来ますので是非みなさまのお声を届けてください。という感じですかね!
──いちさんありがとうございました!
--
「?田唯展 遊泳グラフィック」は10月19日(木)まで。みなさまぜひお立ち寄りください。
ts.
]]>
昨日よりクリエイションギャラリーG8 高田唯展「遊泳グラフィック」の会場では、
『年鑑 日本のパッケージデザイン〈2017〉』、
『GRAPHIC DESIGN IN JAPAN〈2017〉』、
『Tokyo TDC Vol.28』の3冊が横に並んだ姿をご覧いただくことができます◎
わたしは会期中にこの3冊が並ぶ姿を今か今かと心待ちにしていました。
これから3回にわたって、年鑑制作の裏話を連載していきます!
さかのぼること3年、日本パッケージデザイン大賞、
化粧品・香水部門で金賞を頂いたことがきっかけとなり、
2017年度版の書籍のデザインのお仕事が舞い込んできました。
きっかけとなったuka nail oil takeoff 13:00
フタを開けると、30パターンの空の写真がのぞく。
こちらの作品も会場で展示中です!
年鑑のデザインに携わることは、かねてから望んでいたことなので、
お話をいただいた時は、飛びあがるほど嬉しかったのを覚えています。
(この時、さらに年鑑のお仕事が入ってくるとは知る由もありませんでした)
年鑑委員会のみなさんと会議を重ねていくうちに、
何を思ったか高田の口から「宇宙」というキーワードが出てきて、
そこからおよそ半年の間「宇宙」と対峙しながら、
時に自問自答しながらデザインしていきました。
特に宇宙感にこだわったのは作品撮影。
入選作品オール撮影、1商品につき1ページ掲載という贅沢な仕様だったので、
せっかく撮るなら他にない見せ方を考えたい。
作品を宙に浮かせてはどうだろう。と言われた時、わたしは耳を疑いました。
451点もある作品全てをテグスで吊るすのですか!?
始めは本気だったようですが、、カメラマンさん達の発想とテクニックのおかげで、
浮遊感を出しながらの撮影を乗り越えました!
作品と背景との接地面に出る影、純粋に作品を見る人にとって、
なくてもよい情報なのではないかという議論がありました。
切り抜きでは味気ないので、影の存在を最小限に抑えるという意味でも
「宇宙」はぴったりのテーマだったのかもしれません。
今回の書籍ではもう一つクリアしなければならない課題がありました。
『セルフ販売』と『対面販売』の住み分けです。
コンビニで販売されるスナック菓子のパッケージと、お菓子屋さんで売られるパッケージを
同一の基準で審査して良いのだろうか。
毎回そのことがひっかかり審査委員の方々を悩ませていたそうです。
今回は『セルフ販売』と『対面販売』分けて審査しよう! という流れになり、
その縮図を年鑑の書籍の中でもわかりやすく表現してほしいとオーダーをいただきました。
既にご覧になった方はもうお分かりですね。
『セルフ販売』は白背景。『対面販売』は黒背景で撮影しています。
書籍の小口を見るとシマシマ。
主要5部門(食品/菓子/アルコール飲料/一般飲料/化粧品・香水)は
1カテゴリーの中に『セルフ販売』と『対面販売』の
それぞれ金・銀・銅賞が存在しています。
受賞者が最も多い表彰式になったそうです!
パッケージデザイン大賞を受賞された2作品のページはもちろんですが、
巻末のダイアグラムも必見です。
時代の流れに合わせて変化を遂げてきたパッケージデザインと審査方法を
ダイアグラムによって垣間見ることができます。
ケースに使っている写真は大理石のテクスチャです。
言われてみれば大理石なのですが、荒ぶる海面や、
どこか遠い惑星の表層のようにも見えませんか?
表紙は蛍光オレンジのビニールカバーを選びました。
見本帳の中でひときわ目立っていたものです。宇宙感を助長させていますね。
そんなこんなで出来上がった、
『年鑑 日本のパッケージデザイン〈2017〉』は
遊泳グラフィックの会場でご購入いただくことも可能です。
会期:10.19 木まで
時間:11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料
またとない機会ですので、他の2冊と比べながらじっくりご覧ください!
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]]>AllrightPrintingの看板ができました。
目立つ〜〜!
しっかり額装されていいかんじです。
URLも入っているのですぐに検索できますね。
オールライトにはデザイン部門/印刷部門/音楽部門(new!)の3つの部門があり、
その中の印刷部門をAllrightPrintingと呼んでいます。
おもに活版印刷機を動かしながら、名刺やショップカード、ハガキやチラシ、
その他もろもろ、あらゆる印刷物に携わっています。
グラフィックと連携しながら作る印刷物は、とても面白いですよ◎
これからAllrightPrintingについてもこのブログで紹介していこうと思いますのでどうぞお楽しみに。
すぐに見たいよ!という方には現在銀座のクリエイションギャラリーG8にて開催中の?田の個展がおすすめです。
これまでの印刷物を多数展示しておりますのでぜひお立ち寄り下さい。
それではまた!
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G8ギャラリーにてトークショーが開催されました。
私たちAllrightのメンバーも知らない、駆け出しの頃の高田唯のこと、
そして独立から11年の時を経て、デザイナー同士として
水野学さん、お忙しい中、ご登壇くださり本当にありがとうございました!
2006年に「Allright Graphics」を
父・?田修地と姉・北條舞と共に実家でスタートしてから11年。
今では活版印刷「Allright Printing」や、
音楽部門「Allright Music」までも立ち上げて、
ますます面白くなってきました。
今までのメンバー、兄ちゃん、いち、うえ、gt、
中山くん、ぎーす、きよ、たっしーはじめ、
アルバイトしてくれたみんなとも良い関係でいられて、
とにかく人に恵まれてきました。
そこは一番の才能だと思ってます。
そして一緒に仕事をしてくれたパートナーとも言える、
カメラマンさんやイラストレーターさん、
編集者さんやコピーライターさん達との出会いも
刺激的でやめられません。
自分ではつくれない、表現できない、
ワクワクを提供してくれる皆さんにも感謝です。
年齢関係なく今後もどんどん発掘していきたいです。
そしてそしてAllrightに仕事をくださった方たちにも感謝です。
当初は見栄を張ったりかっこつけたり、
なんとか社会というものにしがみつく思いでした。
そのため迷惑をたくさんかけ、がっかりさせたこともあると思います。
それでも少しずつひとつづつ小さいことにも反応して反省を続け今があります。
毎日心は動きますし、季節や体調の変化はありますが、
一つだけ揺るがないのは「カタチ」に対する想いです。
まだまだ美しく、おもしろく、力強く、出会ったことのないカタチはあるはずです。
そのカタチを4年半勤めてきた
東京造形大学での?田ゼミで学生達に協力してもらい、
身近なものから探すようにしています。
重要なのは自分の解釈や角度を変えるということ。
目の前にあるものは念じても形は変化しません。
もしもこうだったら?と妄想してみると
別のものが浮かび上がってきます。
そのゼミでの取り組みも展示します。
最後に、5年前からはじめた三角の絵のこと。
震災以降、自分の無力さを感じながら、
闘病していた父も他界し、
なにか実感を持ちたく、
おじいちゃんになってもできることはないかなと
突然思い立ってはじめた三角の絵。
ゴシゴシ書くことで塗ることで、
身体に伝わる振動、満ちていく紙の上の色。
そしてやはり求めてしまうあらたなカタチ。
毎日ではないけれど
描きたくなった時に描いてきた
250枚ほどの三角も展示します。
とにかく想いが重い展示かもしれませんが(笑)、
11年分の僕たちを全て出したつもりです。
展示期間は10月19日までのちょうど1ヶ月間です。
ぜひご覧ください◎
ー以上FaceBook投稿より
10/19まで開催しています 高田唯展「遊泳グラフィック」
ぜひぜひお越しくださいね!
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本日、2017年9月19日より
Allright 高田唯の個展「遊泳グラフィック」がスタートしました。
発足から11年の仕事の数々、
教鞭をとる東京造形大学でのゼミワーク、
そして個人でコツコツ描きためてきた絵。
大きく3つのパートに分けて展示をしています。
このブログではこの展示をスタートに
ここに至るまでの11年のこと、
そして日々のことを綴って行こうと思います。
2014年の秋に、思い立って外部の編集室にお願いして作ってもらった
会社案内のような「ALL RIGHT讀本」というものがあるのですが、
その最後に載せた言葉は、今も私たちの根幹にある、大切な理念です。
11年を経て、また新しい世界を創造していけることを思うと
本当にワクワクします。
これからも改めてどうぞよろしくお願いします。
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